快楽の価値をどこに見出すか[488/1000]
[2024.1.1記] 明けましておめでとうございます。 本年も皆様のご健康とご多幸を心よりお祈り申し上げます。 快楽主義について、昨晩から今朝にかけ、エピクロスの教説と、澁澤龍…
[2024.1.1記] 明けましておめでとうございます。 本年も皆様のご健康とご多幸を心よりお祈り申し上げます。 快楽主義について、昨晩から今朝にかけ、エピクロスの教説と、澁澤龍…
「許婚者のいる美貌の女性ロッテを恋したウェルテルは、遂げられぬ恋であることを知って、苦悩の果てに自殺する。」 ゲーテの「若きウェルテルの悩み」が出版された当時、若者の間で自殺が流行したという。まさに、命がけ、死身の恋、情…
若者の性は最高の表現をとるときに情熱になり、おとなの性は最高の表現をとるときに快楽になるということができよう。しかし、現代の若者は、性を情熱から解放しようとしているのである。快楽には金がかかり、これは若者には不可能である…
青年を象徴するものには、恋や情熱がある。恋や情熱が失われたときに青春は終わる。 時代の道徳によって善悪は変わる。封建的な主従関係も武士の切腹も、現代では受け入れられるものではない。男性性は追い出された。しかし、生命の話を…
可憐な彼女は、お嬢様のように思われた。馥郁(ふくいく)な美を纏い、美を操り、一挙手一投足のどれもが、一つの作品として完結しているように美しく、目の合った人間には例外なく春が訪れ、どんなにみすぼらしい気持ちになっている人間…
己だって昔は世間に出て交わって空しいことを学び、空しいことを教えた― 己が自分の考えた通りを筋道立てて述べると、反対の声がその何倍も大きく起こってきたものだ。だから己は不快な世俗を逃れて、寂寥と荒涼の中に赴いて、そして全…
科学革命がもたらされて以降、人類は電脳空間に「家」をつくった。今日では誰もが馴染みの場を持ち、毎日そこから旅立ち、毎日そこへ帰ってゆく。 電力が断たれ、草枕月記を執筆できなくなった私に訪れたのは大きな喪失感…
【2024.2.25 追記更新】 ご機嫌よう。親愛なる数少ない読者のみなさま。三寒四温の日々がつづきますが、元気にしていますでしょうか。 公にできなかった隠遁生活中の手記も、2023年12月末から順次公開しはじめ、今日、…
歓喜、悲哀、憤怒、寂寥。感情は尊いものにちがいない。しかし、直情的に感情をさらけだすことが正しいとも思わない。歯を食いしばるようにぐっとこらえ胸奥に押し忍ぶことで、感情は見えない何か、大きなものに昇華され、美しい花を咲か…
命を捧げた人間に出会うから、命を捧げることをおぼえていく。聖人のようなギブ&ギブの精神は理想として語られるが、それを支えるのは神の力を無限に授かるほどの祈りの習慣ではないだろうか。母親が命懸けで産んだことを覚えている人間…