別れと孤独の夜、森で号泣した私は、出会いと恋が人生の花であると知った。
お付き合いしていた女性とお別れをした。悲しくも、私が愛を知るのはいつも喪失の後である。存在を失い、孤独に立ち返り、はじめて相手の尊さに気づくことができる。十年前と変わらず傲慢であった。傲慢とは、理想が愛を覆い隠す状態をい…
★ひぐらし書簡[2025.10.15~]
お付き合いしていた女性とお別れをした。悲しくも、私が愛を知るのはいつも喪失の後である。存在を失い、孤独に立ち返り、はじめて相手の尊さに気づくことができる。十年前と変わらず傲慢であった。傲慢とは、理想が愛を覆い隠す状態をい…
★ひぐらし書簡[2025.10.15~]
母はなんて偉大な存在なんだろう。どれだけ偉大な愛情に支えられているだろう。それを胸に感ずるほど、孤独を厭わず真っすぐ生きねばならないという想いがこみ上げてくる。この身の養生を第一に心がけるのも、それがいちばんの孝行だから…
★ひぐらし書簡[2025.10.15~]
さいごにお手紙を差し上げてから一年が過ぎました。夏の猛暑も過ぎ去り、秋の風が木葉の影を揺らしています。貴兄は元気にしているだろうか。 私はというもの”貧乏暇なし”とでも申しておきまし…
★1000日投稿 【2022.6.20~2025.5.25 達成】
神を求めるものは山へゆき、魂を求めるものは砂漠へゆく。 千日前の私は海にいた。新潟は柿崎にある、夕陽が淡く沈むやさしい海である。二年に及ぶ無気力な衰弱状態をやっとの力で振りきり、カビの生えた部屋で焦がれつづけた大海原に逃…
★1000日投稿 【2022.6.20~2025.5.25 達成】
この千日を振り返れば、厭世主義に窶れきり、幸福を嘲ったこともあった。ヒューマニズムに呑まれた幸福を、救済する力も頭脳も持たぬ落ちぶれた私は、無力のまま不幸の元へ、悪意の渦に身を委ねるしかなかった。時代を嘆き、幸福を軽蔑し…
★1000日投稿 【2022.6.20~2025.5.25 達成】
涙がわいてくる。私の少年時代を、殺ばつとした現在の私の生活の中によみがえらせようとしておられる。 * 赤飯の秋冷に思うあたたかさ、にしめの舌ざわり、一張羅の小さい妹たち、そして出店の笛の音。 笛や太鼓にさそわれて、 山の…
★1000日投稿 【2022.6.20~2025.5.25 達成】
生れた時から今日まで私の上にそそがれた涙はどれほどであっただろうか、とても私では計りきれない。幼き時からお母さんの思い出を綴って見よう。私はよく医者へ連れてゆかれたものだった。父なきあとの貧乏暮らしであるのに、お前たちは…
★1000日投稿 【2022.6.20~2025.5.25 達成】
甘いものを食べぬと決めてから、人生がすっかり変わってしまった。長年、散々に心を苦しめ、貶めつづけてきた悲壮の大地は、今や歓喜に取って代われた。悲しみの種、焦燥の種、怒りの種を植えなければ、心はどうして、自発的に自己を苦し…
★1000日投稿 【2022.6.20~2025.5.25 達成】
前後型の中にも、五種と六種があって、肩に力が入ってくると、五種はワイワイするが、六種は陰気になっていく。陰気になってしようがないので、言葉でひき立てるつもりか、熱のある言葉を吐く。ある六種の人で、「七生死すとも整体協会の…
★1000日投稿 【2022.6.20~2025.5.25 達成】
軍隊生活において私が苦痛としましたことの内で、私の感情―繊細な鋭敏な―が段々とすりへらされて、何物をも恐れないかわりに何物にも反応しないような状態に堕ちて行くのではないかという疑念ほど、私を憂鬱にしたものはありません。私…