いよいよ森を購入した。②[316/1000]
毎日の言葉は、なるべく早朝に綴りたい。神や詩の心に触れたいのなら、世界の空気が文明に染まる前でなければならないように思う。 世間が賑やかになれば、物質的となり、自堕落も起こりやすくなる。死と生が繰り返されるリズムをここに…
毎日の言葉は、なるべく早朝に綴りたい。神や詩の心に触れたいのなら、世界の空気が文明に染まる前でなければならないように思う。 世間が賑やかになれば、物質的となり、自堕落も起こりやすくなる。死と生が繰り返されるリズムをここに…
月曜日の倦怠が、心に重くのしかかる。たえられない肉体は、まどろみのなかへ逃げこむが、二度寝を終えたころには、透明で神聖な朝はもういない。世界の人が動きはじめれば、この空気は神秘を失い文明のものとなる。仕事に向かう父親は、…
生命の綺麗な部分は、仲良く平和に暮らしたいと願いながら、生命の堕落した部分は、あなたたちと一緒にいられないと退ける。堕落した部分が膨れ上がるほどに、両親と顔を合わすのも苦しくなる。肯定などしないでくれ。受容などしないでく…
自然が人間を癒すのではない。自然の中にある神が人間を癒すのだ。大海原に竜を見て、波打つ音に調和を聴き、木の葉が擦れて、小鳥がさえずる内に、森の精霊を感じるのだ。癒しとは、自分よりも大きな存在を感じ、肥大化した自己を鎮める…
穏やかな春の陽の祝福を受けながら、緑いっぱいの丘を歩いていれば、どんな人間だって幸せを感じるにちがいない。青年は恋の予感に燃えて、老人は野に咲く花に永遠を見つめる。幸せは気まぐれな風に乗って、予期せぬ形で訪れては、知らぬ…
薪がパチパチ燃える音と、木々が風に揺れて、木の葉が擦れる音しか聞こえない、そんな深い夜の静寂を心から待ち望んでいるのに、日が暮れようとする夕方はどうも苦手だ。いったい今日、なにができたのだろうと考えると、また一日を無駄に…
染井吉野が散ったのがはるか昔のようで、名の知れない桜たちも、やっと花びらを落とし始めた。君たちを見る人間は多くはないけれど、足元でどんちゃん騒ぎをされない分、実は幸せなのかもしれない。雨風に揺られて落とすその花びらは、き…
男湯と女湯が壁一枚で隔てられているような古くさい風呂屋が好きである。時刻は昼過ぎ、番台のおばちゃんに400円を渡していちばん風呂をいただこうとしていると、スキンヘッドのおじさんが入ってくる。ここの風呂屋は備え付けのシャン…
感謝、笑顔、幸せに、沈みゆく生命の 心臓を鷲づかみにして引きずり出す。 満たされているようで、満たされていない、 嘘と本当にまみれた泥だらけの魂は この荒野の荒々しさに驚いているか。 凍てつく風に傷つけられ、 孤独な月に…
親孝行。近くにあるようで遠いもの。砂漠に現れる蜃気楼のように、どこまでもどこまでも、遠ざかってしまうようだ。親を安心させてやりたいが、生命は幸せの杯を退け、不幸の炎に突き進もうとばかりする。こうしていつか親孝行しなくちゃ…