孤独を捨てられない人間[333/1000]

ゆらゆらと揺らぐ。宇宙の果てをさまよう魂。

地面から伸びる穢れた手が、この両足を引き留める。

憧れの放射をたどるその眼は、静かな絶望をしたためて。

 

脆弱に跳ね返されるたび、光は細い線となるが、

一層鋭さを帯び、日に日に近づいていく。

 

不幸な人間に安らぎあれ。運命は祝福されよ。

誰にも同情されぬまま、命を無駄にできるのか。

形にならない、あのおぞましい暗黒の流体は、

見栄より孤独を捨てられない人間にふさわしい。

 

自由と真実を求める。これが己を殺すのか。

愛に救いを求める。これは弱さだったのか。

 

己に絵や音楽や詩の才能があればと、どれだけ嘆いた。

地上の倦怠を吹き飛ばし、

宇宙の混沌に触れるためのなにかがほしいと願う心は、

己の内に眠る混沌を軽視する。

 

我々はどこからきたのか。我々は何者なのか。我々はどこに行くのか。

問いに導かれた霊魂はこう語る。

我々は宇宙の混沌からやってきた。我々は宇宙の混沌である。我々は宇宙の混沌に帰る。

ゆえに、芸術のすべては混沌に由来し、混沌そのものであり、混沌を志向する。

 

地上の楽園で満たされないことを知った。

不幸な人間の魂の渇きは、

あのおぞましきなにかに吸い込まれるように、

少しずつ憑りつかれていく。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です