魂の修行をしないか/苦悩の一点に突破口がある[124/1000]

精神と肉体の自己について、思慮を巡らせている。魂の自分は自由であるが、肉体という制限を与えられたことで、不自由な人間を生きなければならなくなった。こうして考えることも、書くことも、読むことも、与えられた器を使わないと成し得ることはできない。与えられた器を用いて、魂について思慮を巡らし、肉体の本能と、魂の憧れの狭間に生じる葛藤に、日々苦悩して生きている。これが魂の修行である。

 

我々は、人間という器を用いなければ、友と冒険することも、美しい景色を見ることも、愛する人を抱き締めることもできない。一方で、器がすべてになれば、本当の意味で美しい景色に感動することも、人を愛することも、美しく生きることもできなくなる。肉体の自分を偏愛しすぎれば、傷つくことに怯え、内に引きこもる生き方が最適解となろう。心地よい感覚を求め、癒しや安心、楽や幸福といった生の衝動がすべてとなる。

 

三島由紀夫は「葉隠入門」にてこう述べている。

「葉隠」はしかし、武士というところに前提を持っている。武士とは死の職業である。(中略)現代では、すくなくとも平和憲法下の日本で、死をそのまま職業の目標としている人たちは、たとえ自衛隊員でも原理的にはありえないと考えている。民主主義の時代は生き延びるのが前提にある。

この「生き延びるのが前提」というのを執行草舟氏は、「物質主義」「肉体至上主義」という言葉に置き換えて表現している。科学信仰が追い風になったこともあって、現代では目に見えないものの価値を信じることは困難となった。美味しいものを食べることや、フォロワーやいいねを稼ぐことが生活の最大の関心となり、魂の修行などはとうに忘れられてしまった。

 

葉隠は、そんな生き方は違うだろうと言っている。お前はそんな動物みたいな存在じゃなくて、魂について考え、苦悩を選び、愛に生きることのできる崇高な存在だろうと言っている。与えられた肉体を用いて、命を燃やし尽くせと言っている。苦悩に飛び込めと言っている。つまり「死ね」と言っている。武士道は死ぬことと見つけたり、なのだ。

 

精神修養 #33 (2h/76h)

瞑想をすると生活に輪郭が生じる。これは精神の自分が浮き彫りになったことで自律性が生まれたからだろう。反対に、足や尻に痛みが生じる時ほど、肉体の自分の輪郭が浮き彫りになることにも気づいた。

痛みに対して反応的になれば、肉体の自分の輪郭の内側に留まることになる。しかし痛みの外側に行けば、精神の自分と出会うことができる。つまり痛みは境界線である。この境界線が葛藤である。肉体の自分と精神の自分がぶつかり合う一点である。だから、執行氏は「超葉隠論」において、苦悩なしには本当の自分は生きられないと言った。

苦悩は、肉体の自分が魂の自分として生きるための1つの通過点なのだ。

日常においても同じことが言える。苦悩によって、人の精神が鍛練されるのは、苦悩の境界線を越えようと試みること一点に圧力がかかるから。痛みの一点を感じよう。引き返すのではなく、向こう側に。

 

[夕の瞑想にて]

仕事で死にきれない自分と対面し、瞑想どころではなくただ恥に苦しんでいた。めちゃくちゃだせえ。苦悩。まさに肉体の自己と精神の自己の狭間に生まれてる。この狭間にエネルギーが凝縮してるのが分かる。

この凝縮したエネルギーを、肉体の自分にぶつければきっと快楽主義に陥る。しかしこのエネルギーを魂の自分にぶつけることができたら、きっと人間としての器は広がっていく。

もう何も言葉にしたくない。言葉にしないまま、ただ凝縮されてかき回されて、大爆発したい。

物質主義に生きる、現代人が葉隠を生きようとするなら、肉体と精神の狭間に生まれた葛藤や苦悩のエネルギーを、どちらに向けて放射するかが1つの鍵となると思う。理想に向けて爆発させることもできるし、酒に溺れることもできる。

 

オーストラリアをヒッチハイクで横断したときのこと思い出した。西海岸の夕陽を見てスタート、東海岸の海から昇る朝日をゴール。今振り返っても、いい旅をしたと思うけど、私はこの後、1年以上も引きこもって精神を病んでしまった。

旅で積み重なって凝縮された一点のエネルギーに私は耐え切れず、肉体の自己にぶつけてしまったのだった。もしあの時の肉体の向こう側へエネルギーを放出していたら、きっといい爆発が起きていたに違いない。この教訓を得るための出来事だったのかもしれないと今では思う。

 

葉隠は、こんな1週間や2週間程度で理解することはできず、恐らく今後10年20年の中で、苦悩とともに血肉となっていく気がする。今は目の前のことにぶつかっていくしかない。

魂の修行はまだまだ続く。

【0円で生きていける拠点づくり】

森の中に瞑想小屋を建て、家を開放するのが直近にやりたいことです。

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