おれは早く魂を解放してやりたいよ。肉体の奥底に閉じこめられ、四六時中苦しむ叫びが、今もありありと聞こえてくる。臓腑を蹴り、脳髄を錯乱させ、背骨をへし折らんとする勢いで。鎖に繋がれた猛獣が死に抗うときのように、日の出から日没まで、脈打ち、のたうち回っている。ああ、痛みは永遠の声。生ぬるい幸福で走りつづける激痛を、安らぎよ与えられよと、宇宙が哀れんでいる。嘔吐に嘔吐を重ね、見る間にげっそり痩せ細ってしまった彼奴を、これ以上踏んづけて、痛めつけることなどできぬのだ。結局、罪の意識に耐えきれぬだけか。ああ、制裁を。再び太陽に身を投げ入れる。
2024.1.20