神は死んだ③[493/1000]
朝も昼も夜も、ニーチェを読みつづける日がつづく。当然だが、一朝一夕で物にできる思想ではあるまい。訳者の氷上英廣氏は、解説でこう述べる。「何千年の未来へひびく声を持つ」と。連日、述べているように、これは人類の運命に挑戦した…
朝も昼も夜も、ニーチェを読みつづける日がつづく。当然だが、一朝一夕で物にできる思想ではあるまい。訳者の氷上英廣氏は、解説でこう述べる。「何千年の未来へひびく声を持つ」と。連日、述べているように、これは人類の運命に挑戦した…
神が死んだか、死んでいないかという議論など、ほんとうはどちらでもよいことだ。 そこに固執するのは、まるで自分の家が留守のあいだに、何者かに盗まれることを怖れて、一歩も外に出られないようなものである。そうではない。家のもの…
ニーチェは「神は死んだ」といった。天国は消滅し、人間は生きる指針を失った。 われわれに必要なのは、神の啓示した律法や、古い道徳的慣習などではなく、この新しい大地に新たな意味をする超人だと、ニーチェは言う。 …
隠遁生活によって、毎日書物に浸かる日々をおくる中、私がひらすら問うていることは、「いかに死ぬか」であると思う。「思う」というのは、自分でも何を求めて書物を貪っているのか、確証が得られていない。ただ、歴史にしても、文学にし…
わかることしか書けない。言い換えれば、自分の程度に堕落させたものが言葉となるのだ。発された言葉は、まばゆい光を放ち、価値のすべてを含有しているように思われるが、ほんとうは、言葉にならなかった見えない部分、つまり、言葉が生…
[2024.1.1記] 明けましておめでとうございます。 本年も皆様のご健康とご多幸を心よりお祈り申し上げます。 快楽主義について、昨晩から今朝にかけ、エピクロスの教説と、澁澤龍…
「許婚者のいる美貌の女性ロッテを恋したウェルテルは、遂げられぬ恋であることを知って、苦悩の果てに自殺する。」 ゲーテの「若きウェルテルの悩み」が出版された当時、若者の間で自殺が流行したという。まさに、命がけ、死身の恋、情…
若者の性は最高の表現をとるときに情熱になり、おとなの性は最高の表現をとるときに快楽になるということができよう。しかし、現代の若者は、性を情熱から解放しようとしているのである。快楽には金がかかり、これは若者には不可能である…
青年を象徴するものには、恋や情熱がある。恋や情熱が失われたときに青春は終わる。 時代の道徳によって善悪は変わる。封建的な主従関係も武士の切腹も、現代では受け入れられるものではない。男性性は追い出された。しかし、生命の話を…
可憐な彼女は、お嬢様のように思われた。馥郁(ふくいく)な美を纏い、美を操り、一挙手一投足のどれもが、一つの作品として完結しているように美しく、目の合った人間には例外なく春が訪れ、どんなにみすぼらしい気持ちになっている人間…