旅の前に不安を抱える友へ[613/1000]
旅立前に不安を抱える友へ 旅がはじまってしまえば、風は流れはじめます。流れた風は旅人の背中を温め、力まずとも世界が勝手にわれわれを運び、われわれを歓迎してくれるようになります。そうした異邦の風が心情の細部に…
旅立前に不安を抱える友へ 旅がはじまってしまえば、風は流れはじめます。流れた風は旅人の背中を温め、力まずとも世界が勝手にわれわれを運び、われわれを歓迎してくれるようになります。そうした異邦の風が心情の細部に…
かつて私は仮にも教育者を志した身であった。熱心な若者によく見られる情熱を、自由と平等の仮面をかぶった「革新的な教育」に捧げようと考えた。当ブログも、ほんとうの最初期にさかのぼれば教育論が展開されている。当時の論調をスロー…
朝な朝なは自然そのものと同じく単純で、そしておそらく無垢である。わたしの生活をはじめる愉快な招待であった。 「森の生活」ソロー 素朴な慣習は人間に力を要求し、人間に力を与える。われわれ人間は、世界にたえず要求され、要求に…
ついでにわたしは、カーテンの費用は全然いらないことをいっておこう。わたしは覗きこまれるものとしては太陽と月とよりほかなく、かれらが覗きこむのはむしろわたしが歓迎したからである。 「森の生活」ソロー 草枕月記の熱心な読者な…
人間のからだはストーヴで、食物は肺のなかの内部燃焼をつづけるための燃料であるそうだ。われわれは寒いときにはより多く食い、暑いときにはより少なく食う。動物としての熱は緩徐な燃焼の結果であり、病気と死はそれがあまりに急速にな…
森で素朴な暮らしをしようと思ったきっかけ一つに、ソローの「森の生活」がある。ソローはウォールデン湖畔の森の中に丸太小屋を建て、2年間、自然と一体になった暮らしをした。現代と距離を置いた隠遁生活であり、四季の移ろいや動植物…
自分が何も悪いことをしていなくとも、罪悪感をおぼえるときがある。反対に、自分が社会的に悪い存在になろうとも、罪悪感を抱かないときがある。罪の意識は他者に対して抱くものではなく、己自身に抱くものだ。厳密にいえば、己の神に対…
自己を精神として意識していないというちょうどそのことが絶望であり無精神性である、―こういう状態はときとして完全な無気力の状態でもあろうし或いはまた単なる酔生夢死の生活ないしはまたかえって精力の倍加された生活であるかもしれ…
勘定に乏しく 暮らしに根も張らぬまま 浮生に流れゆく雲のごとく あちこち気ままに旅をして 春風の香に胸焦がし 木枯らしには身を隠す 森厳の妙薬を服し 天涯孤独に詩を謳う 80億も人間がいる世の中だ。そんな人…
2024年2月27日にインドに旅立つ。首都デリーにまず向かい、ガンジス川を生活に汲むバラナシ、ブッタが悟りを開いたブッタガヤ、混沌の地コルカタの順に、北インドの4つの街を遍歴することにした。 予算は10万円だ。宿が1泊5…