散っていく花びらの中に、永遠の自己を見つけるとき…[286/1000]
温かい季節になった。道を歩けば、野には黄色い花々が広がって、風によって甘い香りが運ばれてくる。少しずつ開いていく桜の花びらを毎日眺めながら、満開になる日を今か今かと待ち侘びている。道端の花を一輪摘んで部屋に生けると、なん…
温かい季節になった。道を歩けば、野には黄色い花々が広がって、風によって甘い香りが運ばれてくる。少しずつ開いていく桜の花びらを毎日眺めながら、満開になる日を今か今かと待ち侘びている。道端の花を一輪摘んで部屋に生けると、なん…
私はこの世界の虚無を憎んでいるのかもしれない。 20代の半分をこの虚無を問うことに費やした、と書いたけれども、過去形ではなく、進行形である。 今もまだ、虚無を問うてるし、死ぬまで問い続ける宿敵にあるのかもしれないと思う。…
誰にも理解されないと感じるから、神に救いを求める。 神に救いを求めて、言葉は紡ぎ出される。 だから、詩も音楽も芸術も、涙がある。 涙があるものに、たくさん触れていたい。 深い孤独を抱えたまま生きていくほど、…
インドの古典であるギーターに、「私は人間における雄々しさである」という聖バカヴァットの言葉がある。 私はこの言葉に感銘を受けた。魂とは雄々しいものであり、自己の内から雄々しさを開花させることこそ、人間の宿命だと感じたから…
文明に飼いならされるとき、生命の実感を失う。野性を失い、無菌で血のない清潔な生活に覆われる。 文明から弾き出されるとき、生命は虚無となる。義を失い、道を失い、何のために生きているのか分からなくなる。 飼いな…
虚無に堕ちることが怖ろしい。あの苦痛にだけは耐えられない。 永遠から切り離されれば虚無となる。文明から孤立すれば虚無となる。楽を欲して、楽に堕ちれば虚無となる。同じように解放を望んでも、自由の虚無には耐えられない。 &n…
失礼極まりない話である。私は卑劣だ。しかし、今感じていることの他に何も書ける気がしないから、感じていることを感じている事実として、恥を忍んで書き残すほかない。 私は今の仕事が生命を懸けるに値しないと感じてい…
はっきりと言葉にしよう。私は仕事をやめたくてやめたくてたまらないのだ。ぎりぎりの戦いをしている。不合理に食い殺されるとき、こうした悲痛な嘆きがどうしても生まれてしまう。鬱で引きこもりのクズを拾ってもらったのだから、恩知ら…
仕事をしている。好きことを仕事をしているわけではない。むしろ、今の仕事は、好きとは無縁のことをしていて、向いてもいないと思う。 それでも仕事をするのは、この生命を、文明にぶつけるためである。文明にぶつかって、文明の中で、…
数日間の苦しみがようやく去り、爽やかな朝がやってきた。昨晩の雨でぬれた大地が、太陽で美しく輝いている。 苦しみを散々吐露して、見苦しい姿を残してしまった。苦難は去ったといっても、安らぎは束の間であることは間違いない。今日…