吸うは生で、吐くが死。[785/1000]
ヨーロッパ近代理念における愛国心も、すべてアガペーに源泉を持っているといってよい。しかし日本では極端にいうと国を愛するということはないのである。女を愛するということはないのである。日本人本来の精神構造の中においては、エロ…
ヨーロッパ近代理念における愛国心も、すべてアガペーに源泉を持っているといってよい。しかし日本では極端にいうと国を愛するということはないのである。女を愛するということはないのである。日本人本来の精神構造の中においては、エロ…
時代が死に場所を与えてくれないのなら、自分で死に場所を見つけるしかない。今日ではそのことを”やりたいこと”と表現されるが、それは間違っている。やりたいことでなくとも、死ぬまでこの人に仕えたいとか、…
己が真に欲するものをほんとうに分かっているのか。とりもちに捕まったスズメのように、時代の幻想に絡めとられていないとどうして言えよう。後生大事に自分を抱え、まるで小さな子供のように、あの手この手でエゴイズムを砂上に転がして…
この幸福が行く時は、 ああ、おさらばの時だろう。 季節よ、城よ。 ランボオ「地獄の季節」 深い夜を追い越して 腹に舞い込む幸福が 農夫を照らす澄明に 麦わら帽子でお辞儀しろ キャベツ畑に横たわ…
馬鹿なことを言うんじゃない!こうしてわれわれが毎日練習してるのは、いったい何のためなんだ?もしわたしたちの友情が時間や空間のようなものによって成立してるものだったなら、やがてわたしたちが時間と空間を克服したあかつきには、…
すまねえなぁ おれなんかが生かされて 強い心を持てねえばかりに かけた苦労は数知れず まともな孝行もできねえまま 秘めし涙に沁み入るばかり 丈夫な体とこの命 思えばこそ 捧ぐ日に 誠の記憶になびく空へと ああ また旅に立…
夏だ。汗を滝のように流しながら畑仕事をしている。水がうまい。だが、日頃から常温水しか飲まないので、最近は太陽に熱されたお湯を飲まざるをえなくなった。お湯もうまい。氷できんきんに冷えたものを飲むよりは、自然に温められたお湯…
強風が雑草を薙ぎ倒していくように、手鎌を草むらに振るっていく。草は、腕の力で刈り取られるのではなく、自然に折れるべきところでポキリと折れる。草刈り機のように根こそぎ綺麗に、とはいかないが、土台をしっかり残した草は、根を細…
傲慢であろうか。働いていると「お前は己の命を捧げるに値しない」と思うことがある。逆を言えば、「この人のためになら己はどこまでも身を捧げよう」と思うこともある。 高校生の頃、素晴らしい恩師に出会い、硬式テニス…
かつて教師を志していた頃、ある団体の勉強合宿に参加した。そこでは、志を同にする者が集まり、寝食を共にしながら、教師の資質について議論したり、己の知識と技術を研鑽し合ったりした。寝る間を惜しんで、模擬授業を次々と作った。 …