【山ごもりDay1】太陽が昇る瞬間に命は雄たけびをあげる[85/1000]

岩手は標高1100m、遠別岳にいる。朝5時、気温は8度。寒くて、服4枚を重ね着している。ブログを書いている手が冷たいので、軍手の指先をハサミで切って、温かくしながら書けるようにした。熱々のコーヒーが久しぶりにうまい!

 

昨晩ここに到着した。夜の山は、ゾクゾクする。山からは街の明かりが一切見えず、ただ暗闇に向かって進んでいく。知らない地で、闇に向かって進むのはいまだに慣れないが、男ならビビってんじゃねぇと自分を奮い立たせる。

 

途中、霧がかなり濃くなって、一寸先が何も見えなくなった。しばらく、その場にとまっていると、風で霧が飛ばされ、ほんの少し道が見えるようになる。

霧は場所によって濃度が違うようだった。進んでいるかいないか分からないような速さで、少しずつ進んでいった。

 

山の上の駐車場に着いたときには、19時くらいだったが、明かりは何もなくて、気持ち的には、真夜中だった。

電波はかろうじて届いているが、圏外との境界線をさまよっているようで、動画などは見れそうにない。

 

買っておいた新田次郎の「孤高の人」を少し読み、瞑想をしていたら、眠りに落ちていた。

朝起きて、外に出ると、壮大な景色に感動して、涙が出た。

昨晩は、霧に覆われて、世界が自分一人になったように感じていた。その時に高まった緊張が一気にほぐれたのかもしれない。

 

今日から5日間、ここで山ごもり生活をする。

朝と晩の2回、1時間の瞑想をする。晴れた日にはここから山頂までの道を往復する。幸か不幸か、電波は弱いので、空き時間は読書に集中できそう。

 

水は、先日くんだ湧水がまだ30Lあるので、心配はない。食料は、先日いただいた五分づきの「まっしぐら」が1kg弱と、念のためスーパーで追加調達した、岩手産の玄米「ひとめぼれ」が2kgある。

野菜はかぼちゃが半分、それからみょうがが10本ある。

 

かぼちゃは、圧力鍋で米を炊くときに、一緒に混ぜると、かぼちゃご飯になる。このかぼちゃご飯に少し塩を振って食べるのが、とにかく美味い!

みょうがは、味噌と一緒に、お湯に入れて、みょうがの味噌汁にする。出汁などは一切使わないが、これもシンプルで美味い!

 

私は甘いものが大好きで、心に負荷がかかると、ついアイスクリームを食べてしまう。ひどい時には、カップアイスを10個食べてしまうくらい、中毒状態にある。

山ごもりの目的の1つは、そんな狂った食事を整えるということもある。ここにいれば、誘惑は何もない。嗜好品といえるものはコーヒーくらいだ。

 

 

既にいま、デジタルデトックスを味わっているのか、朝から気分がとても爽快だ。

繋がっているものから切り離される不安は最初だけで、切り離されることに一旦慣れたら、その先には心地よい自由があるのかもしれない。

 

朝瞑想をしたら、ブログを書いて、山に登って、仕事を少しして、飯を食って、読書をして、夜瞑想をして、本を読んで寝る。

昨日の感じだと、18時になれば、もう真っ暗になるだろう。夜は灯りをともせば、本くらいは読めるが、基本は太陽とともに生活をするように心がける。

 

とりあえず今は、寒くて、太陽がとても恋しい。

なんだか、オーストラリアの大きな山の中で、野宿をしたことを思い出すなぁ。

 

寝てたら近くに、ハリネズミみたいな動物が横切って、夜は何万本という木々が風で一斉にうなって、本当に怖かった。

けどこの時は、とても不思議な体験もした。感じてた恐怖が、極限まで高まって、それが一瞬で溶けるような・・・本当に不思議な体験だった。

人は闇というものがどこまでも苦手だ。日が沈めば、本能が危険信号を出す。端的に、闇が死を連想させる。死ぬんじゃないかって思う。そして日が昇り、光が世界に戻ると、生き延びられたことに大きな安堵を得る。日が昇っていることが、奇跡のように、有り難く思える。

これは、現代人に不足している感覚だと思う。現代人にとって、日は当たり前のように昇り、当たり前のように沈む。闇に怯えることもなければ、光に喜ぶこともない。むしろ、逆転している場合もある。闇の訪れに安堵して、光の訪れに絶望している。

 

太陽がのぼってくれることや、朝が来ることは、本当はとてもとても、待ち遠しいこと。

それを普通に生活してたら忘れちゃう。だからこうして、山ごもりを定期的にするのはいいかもしれないなって思った。

 

今日、太陽が昇ってくれることに、いちいち喜べる瞬間が、もう最高に命を感じられるんだ。

当たり前じゃないんだ。太陽がなかったら世界は真っ暗で、凍えちゃうんだ。

 

今日も陽が昇る。今日も太陽の光を浴びて、この命を生きよう。

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