悲しくても、苦しくても、ちゃんと好きなことするんだよ。好きなもの食べるんだよ。[20/1000]

あまりにも悲しくて、ショックで、ぐったりとうな垂れていた。気持ちのやりどころが分からず、事態がよくなることを祈るしかなかった。

海に飛び込めば少しは元気になるだろうと思って海に飛び込んでも、気持ちは晴れなかった。そのまましばらく砂浜にぶっ倒れて目を閉じた。それでも気持ちは晴れなかった。こんな時に、海には誰もいない。釣りの師匠もいない。一人になれたのは良かったかもしれない。こんな姿を師匠には見せたくない。暖かい砂の上で、ただ鉛のように重く沈む身体を感じていた。そのまましばらく目を閉じていた。

 

一国を背負うことの覚悟や重圧は、尋常なものではないだろうと、彼が引退を表明したとき感じていた。彼の行いには、賛否両論があった。それについて言及するつもりはないし、私の感じていた彼への敬意や、長年国を引っ張ってくれたことに対する感謝の気持ちは、彼の行為とはまったく別の次元に存在していた。言い換えれば、人間そのものに感じていた。

一国を背負うことは誰にでもできることではない。生半可な覚悟でできるものでもない。批判されるのが怖いだとか、傷つくのが怖いだとかも言ってられない。ノリでやっちゃえるようなことでも、巷でいう「行動力」があるからできるようなことでもない。どれほどの使命感を持っていたのか、私には感じ取れない。外から見る彼の笑顔には温かさがあると感じていた。とんでもなく大きなものを背負いながら、何でそんな風に笑えるのだと、その「大きさ」を引きこもりだった私はただ感じていた。

 

鬱のときは気が狂いそうになってて悪いことばかり考えた。嫌なニュースが流れてくる度に「自分が当事者になっていてもおかしくない」みたいなことを感じていた。生きることを諦めたくなるようなとき、自分が何をしでかすか分からないみたいな未知数の恐怖があった。世界がこちら側とあちら側に分断させているのを感じていた。鬱の前は、あちら側の人間だった。今はこちら側。こちら側とか、あちら側とか、漠然とした表現でややこしいけれど、一方の人間が、自分は絶対にもう一方の人間にはならないと思っているとき、そこには分かり合えない悲しみが生まれている。

 

自分の人生は鬱とは無縁だと、学校の先生をしていた時は思っていた。使命感をもって社会で働いて、適当に結婚して、お金にも困らず、盤石な人生を送るだろうと思っていた。死にたくなるようなことも人生にはないだろうとも思っていた。けれど、実際に私の身に起こった。人生は当時思っていた方向から、まったく予期せぬ方向に転がっていった。起こらない、有りえないと思っていることでも、自分にも起こることを知った。

 

当事者になると、皆が「まさか自分が」と口をそろえて言う。事故とか震災とか病気とか、自分とは無縁のものと思いたくなる。しかし、自分の意思とは関係のないところで、起きるときは起きてしまう。それは、自分は加害者にも被害者にもなりえたかもしれないという感覚に似ている。

私は私でありながら、あなたにもなりうる。あの人にもなりうる。たまたま今の「自分」としての役割を割り振られ、全うしているにすぎない。どんな可能性もあった。今もそう。想像したくないけれど、いつだって、何が起こる可能性もある。目の前の出来事の直接的な当事者じゃなくても、考え方によっては当事者なのだ。

個人への批判は、何の意味もなさなくなる。起きてしまった悲しい出来事をそのまま受け止めて、これからどうやってここにある自分を生きたいかを考えることしかできない。

 

朝からこんなことを書いていて、気持ちがいいものではないね。でも今日は、天気が凄く良いのが救いだよ。

昨日は、砂浜から起きた後は、近くのスーパーにアイスクリームを買いに行った。1つ食べると、気持ちが少し楽になって、2つ食べると身体に力が入るようになって、3つ食べると身体は随分と軽くなった。私はアイスクリームを食べることは得意だ。自慢ではないが、高校生のときは私があまりにもアイスクリームを食べることから、「アイスクリームマン」という異名を持ち、アイスクリームマンの歌ができるほどだった。

昨日、オカリナを買ったから、日の入を眺めながら、練習している。へたっぴでも、笛を吹くのはとても楽しい。練習と言いつつ、これが本番。その瞬間瞬間が、そのときの本番。

 

悲しむことは、悪いことじゃない。苦しむことも、悪いことじゃない。

けれど、そんな時間も、ほどほどに。好きなもの食べて、好きなことして、好きな人と話して。

 

今日も空は青くて、とても気持ちがいいよ!

けれど暑くてフラフラしてきたら、ちゃんと水飲んで、塩舐めること忘れずに!

元気でいてくれよ!元気が一番!

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