真っ暗闇の中、たまたま辿り着いた河川敷の原っぱで眠り、起きたら、目の前に黄金の世界が広がっていた、ということが原付生活のときにあった。世界がまるで金色に染まっていて、束の間、「俺は死んだのか!?ここは天国なのか!?」と錯覚をおぼえるくらい、感動した。
その時に近い感動に今朝出会った。綺麗な青い宝石の色合いに満ちた世界に出会った。感動のあまり、通りすがりのおばあちゃんに「北アルプスが綺麗ですね!!!」と思わず声をかけていた。そしたら「あれは駒ケ岳じゃないかな?雪を被ってて綺麗だねぇ」と穏やかにカウンターをくらった。
世界は宝石のように輝く瞬間がある。その瞬間に立ち会うことは稀だけれど、地球という星は、至る時間に至る場所で、いつも宝石のような輝きを放っているのかもしれない。「ああ、俺はなんて美しい星に生まれたんだろう」と感動する前では、この世の醜さは、全部無力だと感じる。いらぬ心配事も、禍々しい感情も、全部溶かされていく。陽の目を浴びにくい心の隅々までも、世界は私たちを肯定してくれる。
(黄金の世界が広がっていたときの動画↓)
「昨日森の中で髪を切った…..」と書き始めて、全部消した。「お前の生活なんて、誰も興味がないぞ」と、もう一人の自分がささやき始めた。あ~また悪い癖が始まった。
私はこの種の自分と出くわして、いつも書くことを投げ出してきた。「自分語りなんてダサいからやめろ!」「読んでいる人のためになるものを書け!」「お前の生活なんて誰も興味がない!」「そんなものただの自己満足だ」そんな声に耳を傾けると、書いていることがどうしようもなく価値がなくて、それを世に送り出そうとしている自分がどうしようもなく恥ずかしく思えてくる。そして、書いたものを全部消す。俺は今日、またこいつに屈服してしまった。
全部、自分のために書いていると思い出した。ブログを再開して今日で10日目。私は初心に帰る!私は書くことで幸せになれるから書いているのだった。この10日間は、とても幸せだった。5日目くらいで恐る恐るグーグルアナリティクスを開いて、何人に読まれているか確認し、その数に愕然とした時も、幸せだった。
書くこと自体が幸せなんだ。書くことを続けられている自分が好きなんだ。書いて始める生活が満たされているのだ。それが目的。人に読まれることも、誰かに評価されることも、全部おまけ!…..おまけと分かっていても、つまらないこと書くと、つまらない人間に思われる、みたいな見栄のようなものが出てきちゃう。これがまた人間の恐ろしさ。
この見栄に打ち勝つ方法は何か。
……そう思考停止!
ここまできたら、もうロジックなんて崩壊してもいい。カッコイイ言い回しなんてしなくてもいい。てきとーにやる。てきとー、てきとー。てきとー戦隊てきレンジャー!ごめんなさい。もう今日の私は、理性ある文章を書ける気がしません、とほほ….
少し落ち着きを取り戻して、結局、見栄に打ち勝つには、「今ここに有る感情を、ただ綴ること」がすべてなんだと思った。昨日の出来事や、考えたこと、感じたことは、昨日のもの。それを思い出すのもいいかもしれないけれど、鮮度はどうしても落ちる。鮮度が落ちた思考は隙間だらけで、そこに見栄が介入する。だから、見栄の入る余地がないくらい、隙間のない思考をしたい。
今ここで起こっていること、今ここで考えていること、今ここにある感情、それを綴った方が鮮度は高くなる。隙間はなくなる。だから見栄の入る余地もない。運動に似ている。私はテニスをしていたけれど、何でもいい。必死にボールに食らいつこうとしているとき、そのことだけを考える。「私きまってる?かっこいい?」とか考えない。その瞬間だけに集中している。
つまり、今この瞬間に生きている自分に集中することが、悪魔のささやきをする自分に屈しない方法なのかもしれない。というより、集中していれば、悪魔のささやきは寄り付かなくなる。
僕は今ブログを書いているから、「言葉を綴ること」にフォーカスしているけれど、日常で見栄みたいなのが出てくるときも、同じことが言える。結局は、今この瞬間への集中が欠けていて、思考が隙間だらけになってるから、見栄が入ってくる。死にそうなくらい疲れているときに、自分の外見すらどうでもよくなるのは、思考が狭くなって、見栄の入る隙間すらなくなっちゃってるからだろう。
だから集中する練習をしろ!っていう結論は、少し短絡的なような気もするけれど、見栄っ張りな自分が出てきたら、「今この瞬間を生きれていないな」って気づくくらいの役には少なくとも立つだろう。意外とそれって大きいぞ!
というわけで、足裏に感じる大地、お尻の下の椅子の感覚、今目の前にある僕の言葉、鼻の穴から体内に入ってくる空気、今食べてるご飯の味、いま心が感じていること、感覚を研ぎ澄まして、研ぎ澄まして、、、、、
今日もてきとーに生きるぞよ!押忍!押忍!ばいばい!
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