家とは何か?屋根も壁もなくても、ここが、地球が、私たちの家だ![9/1000]

3日間の東京滞在を経て、小淵沢に帰ってきた!!!見慣れているはずの南アルプスが美しい!!!やはり小淵沢は元気が出る!!!

ボロボロの私の身体が一番に求めていたのは、眠ることではなく、新鮮な水を飲むことだった。車を3分ほど走らせ、名水百選に指定されている、湧き水スポットに直行した。愛用のタンブラーに水を汲み、不純物に染まった身体を清めるように、冷たいをごくごくと飲んだ。真っ裸になって全身水浴びしたい欲望に駆られながらも、一応観光地で人もいるので、顔を洗うことにとどめた。

身体は素直に反応するのだなと感心した。人間の身体の60%は水という。身体は良い水を求めている。東京で飲んだ水が悪かったというわけではない。東京のセブンイレブンで買ったミネラルウォーターの採水地は山梨県甲州市だった。しかし、直に湧き出る水は何故か美味い。元気が出る。冷たくて新鮮ということ以上に、周囲の森林や岩草の気を取り込んでいるのだと思う。

水を飲んでいると、2人の女性に話しかけられた。挨拶をしたときの笑顔が素敵だったから話しかけてくれたという。東京帰りにあんなにも疲弊していたのに、私はすっかり元気になっていた。彼女らはこの地のパワーに感動していると言った。深い森林や美しい湧き水、神社の荘厳な雰囲気、そして何故かあまり有名ではないこの地は人が少なくてとても静かだ。私も同じ理由でここが好きだった。身体が自然を求めている人、本当に美味い水を欲している人は、ぜひここに来てほしい!名は「大滝湧水」という!

私の出身は岐阜県多治見市だが、小淵沢に戻ってきたとき、家に帰ってきた安心感をおぼえた。その気持ちを紐解いていくと、ここで1年間テント暮らしをするうちに、小淵沢の町全体が私にとっての「家」になっていたからだと気づいた。

天気が良ければ、お気に入りの森へ行き、ハンモックをぶら下げた。客人を招いては、一緒に肉を焼いたり、鍋を囲ったり、テントで寝たりもした。森は私にとって、リビングであり、ダイニングでもあり、客間でもあり、寝室でもあった。

風呂に入りたいときは、30分ほど車を走らせて、諏訪まで行く。小淵沢にも温泉は沢山あるけれど、一人の時は、必ずここに行った。300円で硫黄の匂いがプンプンする中々の泉質の温に浸かれるというコスパの良さもあったけれど、男湯と女湯が壁1枚で隔てられていて、広さもわずか1m×3mほどしかないこの昔ながらの風呂に味を感じていた。イスもシャワーもない。備え付けのシャンプーや石鹸もない。身体を洗うときは、地べたに座り、桶で浴槽から直接水をくみ、それを被るようにして洗う。不便かもしれないが、足りている。むしろ過分がないのは落ち着いた。

食料を自給することはできなかったけれど、近くに小さなスーパー1つあれば困ることはなかった。おばちゃんが16時になると、半額シールを貼り始める。そのタイミングを見計らって、肉や魚を買った。水は既に書いたように湧水がタダで手に入るし、道の駅でも調達できた。

町全体を「家」と考えるのは、ホームレスに似ている。というより、自覚していなかったけれど、私もホームレスだった。何なら今も家には住んでいない。しかし、町全体を家とするこの考え方は、とても自由だ。「そもそも家とは何か?」という問いのど真ん中をぶち抜く!天井や壁に囲まれた家はないけれど、自然にひらけた「家」はある。所有することにこだわらなければ、どこでも「家」になりうる!家という縛りから、人を自由にする。

北海道も、青森も、東京も、熱海も、軽井沢も、福井も、淡路島も、四国も、鹿児島も!!!どこもが私たちの「家」になりうる。所有はない。壁も天井もない。そのかわりしがらみもなく、自由がある。もっと大きく捉えて、地球を「家」にできるかもしれない。そこまでの感覚が持てたら、奪い合うことは譲り合うことに変わるかもしれない。恵みに感謝した優しい世界になるに違いない。

 

なんだか書いていて、山林を買って所有しようとしている自分への違和感の正体がわかった気がする。所有することは安心に繋がる。所有しないことで得られる自由について書いたけれど、誰のものかも分からない森に勝手に人招いて肉を焼いているときは、見つかって追い出されやしないか、やっぱりヒヤヒヤする笑 それに法律的にもグレーな部分が多い。

 

いくら自然は本来、誰のものでもないとはいえ、我々は社会のシステム上に生きている。法律もある。そこを世界のすべてだと思い込んで、小さく生き続けることは窮屈で息苦しいけれど、自分の世界も、完全に社会と切り離されるわけではない。この時代に生きる以上、それを理解する必要があるのかもしれない。

というわけで、山林探しの旅はつづく…..!けどちょっと疲れたから、ペース落として、のんびりやることにする!

生き急がず、生き急がず!そして、てきとーにてきとーに!バイバイ!

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