スマホを手放して数日経って思うこと。②[228/1000]

朝の瞑想を終えて、1日を始める前に、天風先生の誦句を唱える。

「今日一日、怒らず恐れず悲しまず、正直親切愉快に、力と勇気と信念とをもって、自己の人生に対する責務を果たし、恒に平和と愛とを失わざる、立派な人間として生きることを、厳かに誓います。」

今朝は誦句を唱える時に、声が涙を含んでいるのが分かった。肉体が涙を流しているわけではない。涙は魂のものだとすぐに感じた。命をもって今日生きることに魂が歓喜して、その涙が肉声に滲み出ているのだと思った。それを感じていた。

 

スマホを手放してから、1日を始めるのが愉しみになっていることに気づいた。なぜだろうかと考えた時に、やはり人間という存在は、身体でもなく心でもなく、本来的に魂なのだと思った。スマホを手放したことによって魂は救済された。それに伴って、1日の意味合いも大きく変わったのだった。

魂が現世に束縛される肉体の生が、肉体をもって現世を生きられる魂の生となった。主客転倒である。(肉体をもって)”今日を生きなければいけない”が、(肉体があることで)”今日を生きられる”に変わった。今日という1日は、天より与えてもらった尊いもので、この肉体をつかって魂を地上展開させる試練であることの認識が強まった。試練というように、苦悩が去ったということではない。むしろこれから苦悩だらけだと思う。

問題はそこではなく、魂が生きているかどうかの一点である。最も不名誉なことは、魂が生きられないこと。望まない生き方を深淵より見つめることしかできない魂は、尊厳を踏みにじられているような恥辱であった。そうさせるのが、スマホや快適すぎる住環境のような、肉体至上主義のもとにある便利で効率的なものだったが、恥辱を恥辱だと感じさせず、恥や卑しさをも肯定してしまう世の風潮が、魂が救済されにくくなる理由を作り出しているように思う。

 

魂の救済とは、水平エネルギーを垂直エネルギーに代替していくことだと思う。

便利なものを手放そうとする時に最後に抵抗するのは肉体である。一番最初に、スマホを手放したいと思ったのは、100日くらい前であった。110/1000日目に「スマホを海にぶん投げて救える自分」という記事を書いている。当時から本当はスマホを望んでいなかった。しかし、手放したいと思っていたが、できなかった。(当時もスマホを手放すことはラスボスだと表現している)

結果論であるが、何の煩悶もなく、スマホを手放すことが出来たのは、日々の精神修養によって水平エネルギーを代替できるくらいに、垂直エネルギーが高まっていたからだと思う。日々の規律や、1日1食の玄米の食事、古典を始めとした偉人の魂を貫く読書も、垂直エネルギーを高めることに貢献した。日々、現世的な価値から少しずつ離れることで、垂直エネルギーの圧力は高まっていく。それが一定値に達し、スマホの莫大な水平エネルギーを代替できるようになったのだと感じる。垂直エネルギーが高まると、水平的なものに価値を感じなくなる。流行りのものよりも、時代を超える本物を欲するようになる。少しずつであるが、そんな志向の変化も感じている。

 

自己の魂の救済を望む人間の手掛かりになることをここに祈る。

私に関しては、マイナスが0になっただけで、これからである。死ぬまで人間であることを望む故、死ぬまで慢心なんてできない。本当にまだまだである。本当にこれからである。

 

精神修養 #138 (2h/284h)

霊性感覚。決して霊が見えるとか、オーラが見えるとか、第六感が生まれるとか、そういうものではなく、現世を現世だと自覚して、自己の魂をもって死に向かう感覚。物質主義や肉体至上主義に陥るほど、霊性感覚は失って、現世に堕ちる。

しかし、古くから人間はこの感覚といつも共にあったんじゃないかなと、瞑想中ふと感じる。今日斬られて死ぬかもしれない中では、文明が魂を垂直に作用させただろう。肉体が死ぬかもしれない中で、現世的な肉体本位の生き方をすれば、怖くてどうしようもなくなっただろう。

勇敢であるために、霊性感覚を必要としたはずである。現世を現世だと自覚して、死に向かっていくには精神の勇気がいる。

 

[夕の瞑想]

いいものはいいと信じて、盲目的にやり続ける。瞑想がそうである。朝と夕に1時間ずつ座ることに何か明確な目的があるわけではない。しかし直感的にこれはいい行いだと分かる。過去の偉大な人物も、例外なく瞑想や黙想を行っている。

そして生き方が瞑想と一体化する。非日常性が日常性を覆い尽くす。それがかつての偉大な人物達であろう。ひたすら呼吸に集中することで、魂は肉体に滲み出てくるものがあるはずだ。それを信じて、妄信でもいい。ただやり続けるまでである。

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