目指すところは宇宙の果て[375/1000]
7月からの家づくりに備えて、森で寝泊まりをしているが、ここ数日、森に変な臭いがして困っていた。なんだか硫黄っぽいような明らかな悪臭である。すぐになくなるだろうとあまり気にしていなかったが、あまりにも続くものだから、原因を…
7月からの家づくりに備えて、森で寝泊まりをしているが、ここ数日、森に変な臭いがして困っていた。なんだか硫黄っぽいような明らかな悪臭である。すぐになくなるだろうとあまり気にしていなかったが、あまりにも続くものだから、原因を…
仕事をやめるまであと2日。物寂しい気持ちよりも、無事終えられることを願うばかりである。運命は甘くない。まだ何が起きるか分からなく、何かが起こりそうな気もしている。仮に嫌なことが起こっても、運命に虐げられないように、気を強…
仕事をやめるまであと3日となった。運命はこのままスッと気持ちよくやめさせてくれるほど甘くはなく、最後の最後まで嫌な気持ちを味わっているのである。こういう時は歩くしかないと思い、右手は八ヶ岳、左手は入笠山の間にまっすぐ伸び…
朝の4時過ぎに小鳥の大合唱で目が覚める。まどろみのなかでじっと小鳥に耳を傾けて、あの鳴き声はスズメだろうかとか、ウグイスだろうかとか、はたまた何という鳥だろうかとか、違いを感じようとするのである。しばらくまどろんでいると…
幸せよりも大きなものを掴むのだ。それは孤独となった生命の一点が爆発する歓喜である。己を冷やす虚無になど負けてる場合ではない。そんなもの発熱と爆風で吹き飛ばしていくのだ。幸せも追い求めている場合じゃない。幸せは社会のつくっ…
毎日しぶとく書いていれば、読者は増えていくだろうと心のどこかで思っていた。しかし、1年経っても、増えては減ってを繰り返し、かぎりなく0になった。数字でしか判断できないことは情けないが、お前の言葉には価値がない、お前は一人…
さあ、仕事をやめるまであと一週間だ。来週の今日には、森に着手しはじめる。だらだらと家を建てるつもりはない。私がめざす家は、鴨長明の方丈庵のごとく、必要最低限の暮らしと、精神活動のためだけに考えられた、3メートル四方の小さ…
生命は家を突き抜け、社会を突き抜け、国を突き抜け、自由に宇宙を旅したがっている。これが東洋的快楽主義の根幹にあると感じる。 エピクロスや鴨長明を、現代でいうミニマリストや引きこもりだという人間もいるようだけ…
鴨長明さん あなたの魂は800年後の人間を震わせています。あなたの生きていた頃よりも、ずっと文明は発展しました。農薬によって食料供給は安定し、人々は飢える心配がありません。毎日のように米も肉も、たらふく食べられます。都会…
日本の中世にも、このエピクロスのように、わずらわしい世の中との関係を断ち切り、山にこもったり、放浪の旅に出たり、出家したりして、自分の理想を守ろうとした人たちがありました。西行法師だとか、『方丈記』を書いた鴨長明だとか、…