森の生活の振り返り[406/1000]

7月も終わりである今日は、この1ヵ月の森の生活を簡単に振り返ってみたい。

といっても、森の家づくりについては、日頃から愚痴をこぼすように小出しにしていたので、あたらしく書くことはこれといって何もない。全体をみれば、一か月で屋根がついたので、進捗としてはまずまずであろう。ここからは壁をつくっていく。いよいよ家が家らしくなってくる段階なので楽しみではあるが、屋根材が思った以上に不格好になってしまったので、ここから素朴に仕上がるように自然のものを使いたい。森を歩きまわって使えそうな倒木を回収する。腐っている倒木が大半なので、これが意外となかなか見つからないものであるが、人工的なものを使って後悔するくらいであれば、多少腐っていようと、自然のものを使ったほうが、完成したときの満足度は大きいだろうと、今回の屋根材から感じるところがある。

 

町は花火と祭りでにぎわうが、私が夏を実感するのは、休憩にスイカバーを食べるときくらいである。標高1000メートルの森の中はとても涼しく、日陰はほとんど気温があがらない。町で買ってきたピーマンやナス、たまねぎや豆、卵や醤油といった、常温で保存できるものは、森に直置きできてしまう。冷蔵庫がなくても野菜を蓄えられるようになったので、色んな野菜が食べられるようになり、料理をすることも増えた。

私は圧力鍋に憑りつかれており、物は少ないが圧力鍋は2つある。食は信仰であり、最近は煮物や味噌汁、卵どんぶりをよくつくる。日本には、おやつの文化があっても、デザートの文化がなかったのは、料理のなかに甘味が凝縮されているからだ。たしかに、ほんのり甘みのある煮物や煮魚を玄米といっしょに食べると元気になるし、食後に甘いものを欲することもなくなる。

 

しかし、快適なことばかりでなく、朝から晩まで、大量の蚊にまとわりつかれている。以前、蚊に刺されないと豪語したこともあったが、今では全身、虫刺されだらけで、腕はボロボロである。あのモスキート音もなければ、もう少し私の神経は穏やかになっただろうが、そう都合のいいことばかりではない。しかし、ホタル、セミ、トンボ、カエルなど、生き物のうつりかわりを感じられるのは自然に暮らす醍醐味であろう。

 

さて、書き足らないところばかりであろうが、この一か月の森の生活はざっくりとこんなところだ。疲れて元気がないこともあるが、そんなときはとにかくしっかり食べ、しっかり休むことである。書に浸かり、野菜は畑から自足する隠遁生活にはまだほど遠いが、8月のうちには家を完成させることを目標にしたいと思う。森の生活はまだまだつづく。

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