「砂漠の果てでぶっ倒れそのまま死んでいきたい」という願望[381/1000]
人間界の仕事を終えて、自然界に仕えている。はやくも5日が経ち、森の倒木はおおかた片付けることができたが、まだ道のりは長い。「チェーンソーの音は生理的に受けつけん。まるで木が悲鳴をあげているようだ。非効率だろうと己のエネル…
人間界の仕事を終えて、自然界に仕えている。はやくも5日が経ち、森の倒木はおおかた片付けることができたが、まだ道のりは長い。「チェーンソーの音は生理的に受けつけん。まるで木が悲鳴をあげているようだ。非効率だろうと己のエネル…
「腐海の木々は、人間が汚したこの世界をきれいにするために生まれてきたの。大地の毒をからだに取り込んできれいな結晶にしてから、死んで砂になっていくんだわ。この地下の空洞はそうしてできたの。虫たちはその森を守っている。」 風…
20メートル級の木が倒れるときは感無量というほかないのである。メリメリメリと幹が張り裂ける音が聞えると、ゴゴゴゴゴと鈍く重たい音をたてながらゆっくり傾いていき、最後はドドーンと凄まじい音とともに地面に叩きつけられる。直撃…
ついこないだ、満開の桜に春の訪れを歓べば、もうヒグラシが鳴き始めた。ヒグラシの鳴き声を聞いていると、いよいよ夏の物語がはじまっていくのだなぁと少年の心が刺激される。気づく頃には、葉は紅く染まり、火照った人々の顔に涼しげな…
足軽は人をつくらないという。妻子をもちながら仕事の責務の重みをまっとうすることで、ほんらい男はできあがっていく。6月末で仕事をやめた私は、精神の解放を味わっているが、自由奔放に流れないように己を戒めたいと思う。幸か不幸か…
雨が降ってくれてよかった。淋しさを洗い流す雨である。 いよいよ仕事をやめる日となった。苦しみが多くあるほど歓びは膨れ上がる。半端者の私は仕事をまっとうにやめた経験が少ない。大学生のころからバイトは投げ出してきたし、教員も…
7月からの家づくりに備えて、森で寝泊まりをしているが、ここ数日、森に変な臭いがして困っていた。なんだか硫黄っぽいような明らかな悪臭である。すぐになくなるだろうとあまり気にしていなかったが、あまりにも続くものだから、原因を…
仕事をやめるまであと2日。物寂しい気持ちよりも、無事終えられることを願うばかりである。運命は甘くない。まだ何が起きるか分からなく、何かが起こりそうな気もしている。仮に嫌なことが起こっても、運命に虐げられないように、気を強…
仕事をやめるまであと3日となった。運命はこのままスッと気持ちよくやめさせてくれるほど甘くはなく、最後の最後まで嫌な気持ちを味わっているのである。こういう時は歩くしかないと思い、右手は八ヶ岳、左手は入笠山の間にまっすぐ伸び…
朝の4時過ぎに小鳥の大合唱で目が覚める。まどろみのなかでじっと小鳥に耳を傾けて、あの鳴き声はスズメだろうかとか、ウグイスだろうかとか、はたまた何という鳥だろうかとか、違いを感じようとするのである。しばらくまどろんでいると…