貴賤はあっても労働の価値は揺らぐものではない[980/1000]
母から仕事はどうなったかと連絡がきた。「今日から新聞配達をしています」と伝えると「何でもよいよ。働くことが大事です。」と返信がきた。そのとおりである。いい母を持ったと涙を禁じ得ない。私は二十代半ば、働かず家に引きこもる時…
母から仕事はどうなったかと連絡がきた。「今日から新聞配達をしています」と伝えると「何でもよいよ。働くことが大事です。」と返信がきた。そのとおりである。いい母を持ったと涙を禁じ得ない。私は二十代半ば、働かず家に引きこもる時…
造物主はどんな悪人といえども、この世に生きているかぎりは、その人間の生命の火を寿命の続くかぎりは燃やしてやろうという尊い思召しをもっていられる。 (中略) だから夜の寝際はもっときれいな気持ちにおなんなさい。もう、世界一…
まだまだ前夜だ。流れ入る生気とまことの恩情とは、すべて受けよう。暁が来たら俺たちは、燃え上がる忍辱の鎧を着て、光かがやく街々に入ろう。 ランボオ「地獄の季節」 履歴書に書き並べられた文字列が何とも惨たらしい。こんな紙切れ…
新聞配達の仕事に有りつけそうだ。とはいっても、まだ面談すらこれからなのだが。単なる期待感にすぎぬ。こう言っちゃ新聞屋さんに失礼かもしれないが、早朝とも深夜ともいえない時間帯からはじまる新聞配達の仕事は、金によほど困ってい…
車検を受ける金がない。ならばいっそ車を手放してしまおうとも考えたが、春になれば畑で働くための足がいる。そうでなくとも水を汲むためには車が必要である。働けそうな仕事を探して、山荘という所へ面接に行ったが、山荘というわりには…
ざわつきは炎のなかに投げ入れること。自分の意志とは無関係に跡形もなく燃えてゆく。醜態は紙切れのように永遠の灰と化した。自分の意志とは無関係に働く自然の法の下、神の心に救われたと感じるのだ。 もう悪意に屈するまいと強く誓っ…
家づくりがひと段落したので、珍しい形をした木でランタン台をこしらえたり、赤松の枝を用いて上着を引っかけるハンガーをつくったりしている。なるべく原形をとどめた荒々しい状態で、実用形式に落とし込んだものに美しさを感じる。ツリ…
ドアに鹿の角を飾った。あまり詳しくないが、風水によると玄関に死を想起させるものを飾ることは歓迎されないらしい。鹿の角は死を想起することからあまり望ましくないことになる。一方、古くから日本では鹿は神様の使いと考えられてきた…
養生シートを外して部屋を片付けた。隅々まで掃き掃除をしたあと、紙やすりで床を磨き、力を入れて水拭きをした。それから柿渋を塗って、乾いた頃合いに家具を再配置した。いまは、薪ストーブで燃え上がる炎を眺めながらこれを書いている…
薪ストーブの設置が完了した。壁に穴を開け煙突を出し屋根の上まで伸ばした。薪ストーブから放射される熱で壁が焼けないために、実家で捨てられるところだった波板鋼板を加工して再利用した。波板の後ろには、さらにブロックが敷いている…