家ができても野良犬であったことは決して忘れるまい。[967/1000]
家が温かい。夜を温かく過ごすことができる。大袈裟に聞こえるだろうが、私はこの日というこの日を、何年も願い続けてきたのだ。 二十代の始め、教師失格となってからは、野良犬のような生活をした。原付にテントを積んで…
★千日投稿 【2022.6.20~2025.5.25 完】
家が温かい。夜を温かく過ごすことができる。大袈裟に聞こえるだろうが、私はこの日というこの日を、何年も願い続けてきたのだ。 二十代の始め、教師失格となってからは、野良犬のような生活をした。原付にテントを積んで…
★千日投稿 【2022.6.20~2025.5.25 完】
静寂のときを見計らい、神は人間に語りかける。飢えるときを待ち望み、魂は発露する。神を持たぬ者、魂を蔑ろにする者は、静寂を怖れ、空腹を忌み嫌う。何の値打ちもない喧噪に身を窶し、何の為にもならない物体を胃袋に放り込む。耳は品…
★千日投稿 【2022.6.20~2025.5.25 完】
懺悔は済んだ。これ以上、過去を悔いるのはよそう。砕け散らばった記憶の断片が、一つ、また一つと再集結し、心を形成していく。その中でもひときわ輝くのが、復讐の根源となる深い傷、それから成就しなかった淡い恋。本意でなくとも、結…
★千日投稿 【2022.6.20~2025.5.25 完】
朝陽が昇りはじめてから、夜眠るまで、途切れることのない永遠の孤独へ帰っていこう。虚偽はなし、欺瞞もなし。後ろめたいことも何もなし。わが魂を散々苦しめた地上の鎖は引き裂かれ、空腹となった胃袋の底へ流体と化したエネルギーが流…
★千日投稿 【2022.6.20~2025.5.25 完】
僕は二十歳だった。それが人生でもっとも美しいときだなんて誰にも言わせない。 ポール・ニーザン ついに新しくつくった森の家で初夜を迎える。できることなら、完全に完成してから、新たな気持ちで住み始めたいところだったが、ここの…
★千日投稿 【2022.6.20~2025.5.25 完】
僕はもう年齢を取らない。到頭僕は死んで仕舞った。僕は毎日種種(いろん)な祈禱の声を持って居る。この快活な魂が輝いて、僕の灰は温かい。 北村初雄「一生」 凍え震える身と魂が、日に日に窶れ、老いていく虚しさに眠れど、 ねぐら…
★千日投稿 【2022.6.20~2025.5.25 完】
おお、孤独よ。あなたはわが故郷だ、孤独よ。あなたの声はどんなに幸せに、どんなに優しく私に語りかけてくれることか。 ニーチェ「ツァラトゥストラはこう言った」 雪の世界に閉ざされると生きるか死ぬかの戦いになる。だが、森から一…
★千日投稿 【2022.6.20~2025.5.25 完】
冬が猛り狂っている。今日から一週間、氷点下10度の日がつづく。積雪もあり、森に完全に閉じこめられた。家はおおむね完成しているが、薪ストーブが届かない。あと一週間、工程が早く進んでいれば、暖かい炎に身を包みながら、窓から白…
★千日投稿 【2022.6.20~2025.5.25 完】
仕事はいい。自我の歪みが正される。心の在り方が正される。汚れや染みは抜け落ち、黒く粗のあった心は、透明で純白な姿へ変わっていく。仕事は行である。滝に打たれることと似ている。肉体は苦しみに直面すると、心の奥底から煩悩を浮上…
★千日投稿 【2022.6.20~2025.5.25 完】
言うなかれ 君よ 別れを 世の常を また生き死にを 海ばらのはるけき果てに 今や はた何をか言はん 熱き血を捧ぐる者の 大いなる胸を叩けよ 満月を盃にくだきて 暫し ただ酔ひて勢へよ わが征く…