悲しみを言葉にしてごらん。[100/1000]

毎日言葉を書くことを始めて、今日で100日目。何か特別なことを書かなければ!と勝手に頭が考え、何も書けなくなる現象に見舞われている。

100日目は華々しく迎えられたどころか、さっそく出鼻をくじかれ、疾走感を失った状態でのスタートとなった。これを「100日目の悪魔」と名付け、今後、節目を迎えるときの教訓としたい。

節目こそ、立ち止まらず、疾走感をもって突き抜けること。節目になると、じっと立ち止まって、これまでの軌跡を振り返らなきゃいけないみたいな気持ちになるけど、あえて後ろ振り向かず、脇目も振らず、突き抜けていくも、それはそれで清々しくていいかもしれない。

湿っぽくなるにはまだ早い。言ってもたかが100日なのだ。ここで湿っぽくなってたら100日の男になっちまうぞ。100日の男よりも、1000日の男になろう。センセーショナルになるのは、ぜんぶ終わってからでいい。目指すは山頂!急ぐこともしない。休むこともしない。ただいつも通りに、今日もすたすたと登っていくぞ!

 

精神修養 #9 (2h/30h)

・「取越苦労は厳禁」といいつつ、知らず知らずのうちにしてしまっている

・生じている不安や心配のほぼすべてが、鳥越苦労であることが分かる

・思考と感覚は同時に生じている。心配事をしているときは胸の奥に呼吸が詰まったような感覚がある

・「『気分良く過ごそう』みたいなことを言う人もいるが、気分が乗らないときこそ、人の力が試される」

・考えに夢中になるのは、考えないと不安で、じっとしていられない証拠

・眠気は突如とやってくる。呼吸に集中できているときほど、眠くなる気がするのはどうして?

 

・夜の瞑想。修行というより、苦行だった。集中できたのは最初の15分だけで、あとは睡魔との忍耐勝負

・耐え切れず外に出て夜の森で瞑想。暗闇と一体となるような感覚があった

・身体が眠ろうとしているのを俯瞰していると「ああ今日も、この身体は1日を生き切ったのだな」と微笑ましく思う自分がいた。身体に1つの意思があるようで自分と切り離された存在であることを認められているような感覚

・睡魔に抗う身体は、頭を上下左右に暴れさせる。そんな身体を俯瞰しながら、これが自分の「意志」なのかと感じていた

・「この身体は今日を生き切って、1日を終えようとしている」と俯瞰できたのはこれまでの人生で初めてだったかもしれない

 

昭和初期の登山家、加藤文太郎の影響を受けて、山を登るときは、急ぐこともなく、途中で止まることもなく、最初から最後までずっと同じペースで登るようにしている。すると、自ずと呼吸に集中でき、心は平静となり、自分がまとまっていくような感覚になるのが分かる。これはまったく瞑想と同じだと思った。

人は外に向かうとばらばらになって、内に向かうとまとまっていくのだと思う。人と付き合えば軋轢が生まれて緊張する。他人の言論に触れているときは、そわそわして、厳しい言葉を受け取れば、苦しくなる。やったことないことに挑戦すれば緊張する。この感覚は、まるで木刀のようなもので、心臓の中心をひと突きされて、まとまりを帯びていた自分がばらばらに砕けていくよう。

 

まとまっている自分は安定していて、ばらばらの自分は不安定。だからばらばらになることはとても怖い。立ち直れなくなるかもしれない。(1年くらい立ち直れなくなった。)でも、今は立ち直れている。ばらばらになるのは怖いけど、ばらばらにならなきゃ胸を張れないことは、自分が一番知っている。

山を登ることもそうだけど、呼吸に集中し、言葉を紡ぐと、ばらばらになった自分は1つにまとまっていく。この自分を再構築する過程で、いい言葉は生まれる。

 

「何があっても俺は大丈夫だ」と心の底に絶対的な炎を燃やしていた頃の私と違って、今の私は、ばらばらになっても、絶対に戻ってこられるという自信がない。心の底に渦巻いているのは、漠然とした不安で、その正体は、自分に対する不信である。

そう書きながら、あれ、なんだ、戻ってくるも何も、私の一番深い所は、いまだ、ばらばらに砕けてるだけじゃないか、と思った。表面上は、まとまって取り繕われているようでも、深い所は粉々に砕け散っている。深い悲しみを、まだ言葉にできていないだけだった。なんだ、たったそれだけだったのか。

 

悲しみを言葉にしてごらん、と言いたい。自分に。自分と同じように、心の奥深くがばらばらに砕け散っている人に。

深くが粉砕された状態は不安定だけど、同時に、深くを砕くことができたことを思うと、誇らしく思える。

 

いい人生送ってんじゃねえかこの野郎。さあ、あとはこんなところで立ち止まってないで、さっさと次に進みやがれ!

言葉と一緒に、自分も紡がれていくんだ。

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