青森は黒石まできた。
黒石には、つゆ焼きそばという、焼きそばに出しつゆをかけて食べるご当地グルメがある。
24時間以内に、群馬から青森までヒッチハイクで行って、つゆ焼きそばを食べて帰ってこれるかみたいな遊びを、旅の相棒と行ったことがある。
今回、黒石に来たのは、人に会うためだが、改めてここの自然や町の雰囲気に触れて、青森はいいところだなと感じている。
こうして全国色んな所に行くと、いい土地の条件みたいなものが見えてくる。
私なりに3つ定義した。
1つ目に、安く風呂に入れること。
2つ目に、地元の人が、土地を愛していること。
3つ目に、警察官が優しいこと。
1つ目は、いかにも貧乏な旅人が欲するような条件だが、私がいいなと思う土地には、300円くらいで入れる銭湯が必ずある。本当に稀だが、タダで入れる公衆浴場も、あるところにはある。
風呂は偉大だ。身体を芯から温めると、人は元気になる。
長野県下諏訪に、安くてボロい、いい風呂屋がたくさんある。そこに何十年も通うおっちゃんは、ここに通ってから一度も風邪をひいていないと言っていた。ちなみに下諏訪は、冬は氷点下までしっかり冷える。
昨日、300円で黒石の温泉に浸かって、身体を芯から温めた。身体は随分と冷えており、私が元気がなかったのは、湯船に浸かっていなかったことが理由の1つだと思った。
人が元気がないとき、99%は身体が冷えている状態だと思う。寝不足だったり、食事の乱れだったり、運動不足だったり、色んな要件が重なり合って、身体の深部体温が下がって、元気がなくなってる。
直接、身体を芯から温められる風呂は、不調のど真ん中をついてくれる。熱々のいい湯につかりながら、落ち込む人や、人生に絶望する人は、まずいない。
身体が芯から温まれば、緊張はほぐれ、人は元気になる。
食事と運動と睡眠の3つは基礎的な生活習慣で大事だと認識されている。ここに4つ目の風呂を加えたい。
元気がない人は、とりあえずいい湯船に浸かれば、なんとかなる。身体を温めれば、元気になる。
2つ目の、いい土地の条件は、地元の人が、土地を愛していること。
住んでいる土地を愛している人が多いと、外に出る人が多くなる。近くの池のまわりを散歩したり、湖のまわりで運動したりするようになる。
不思議と、その土地が好きで、人が自然と集まる公園は、人が多くても、嫌な感じがまったくない。
むしろ老若男女問わず、人が集っていると、その活気を受け取って、元気になる。
老人だけが集う場所、若者だけが集う場所は、たくさんある。
それもいいが、年代で分断されていると、どこか物寂しさをおぼえる。
中国地方のどこかの公園にいったとき(場所はすぐには思い出せない)、子供から大人まで揃ういい公園があった。
大きな池があるその公園は、部活に励む若者から、青年のカップル、親子連れから、老夫婦まで、勢ぞろいだった。
私はその時、縄跳びにハマっていて、1分間に100回のペースで、かけ足飛びをしていたら、横を通る人に、よく話しかけられた。
気軽に話せる空気みたいなのがあった。それを心地よいと捉えるかは、人によっては変わるが、少なくとも土地は温かいと感じた。
3つ目は、警察官が優しいこと。
当たり前だが、警察官が優しいということは、土地の治安がいいということ。
ある土地で、原付で旅をしていたとき、少しグレーな交通違反をしてしまい警察にとめられたことがある。
やっちまった・・・と私は思っていたが、「旅に疲れてるんだろう、無理しないでちゃんと休めよ」と注意喚起だけで見逃してくれたことがある。
私は彼の人情に、涙が出そうになった。
一方で、別の土地では、原付ででっかい交差点を右折してしまったとき、しっかりと罰則を食らった。
私はそのとき、旅の疲れでヘロヘロだったが、警官はノルマを達成できて嬉しいからか、ずっとニヤニヤとしていた。
もちろん、違反をした罰は受けるべきだし、警官の立場に立っても、治安維持のために、仕事をしただけにすぎない。
こうした罰も、民の安全な暮らしを守ってくれているからだと思うが、対応の中にある人情のギャップに、私は温かくも、冷たくもなった。
色んな土地をめぐりながら、土地は、土地で暮らす人によってつくられるのだと感じる。
一方、土地で暮らす人も、土地によってつくられるのだと感じる。
相互作用の中に生きている。温かさがあれば、人も土地も温かくなるし、逆もまたしかり。
着地点が分からなくなってしまったが、体温を失っちゃったら、私にとってこの人生は、生きていくには辛すぎると思った。
温泉で身体が温まって、ようやく元気になりかけている私は、体温を上げることの偉大さを思い出している。
とりあえず、元気がない人は、身体を温めること。
いい食事をして、ちゃんと寝て、運動して、湯船につかること。
季節の変わり目だから、温かくして過ごしてね!
ではまた明日!ばいばい!
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