氷点下。土台に二度目の柿渋を塗った。塗っていくそばから、木材の表面が凍っていく。朝陽に照らされるとキラキラして美しい。だが、塗りむらになってしまうので困る。寒さが本格的に厳しくなる前に、塗装をやり遂げる必要がでてきた。
土台を正しい位置に設置すると、土台の一部が束柱から数センチ飛び出してしまったり、逆に届かないところが出てきた。束柱に合わせて土台を歪ませるのでは本末転倒なので、土台を正しく固定した後、束石だけ修正することにした。束石の下に敷いてある砕石の粒が大きいため、束石の水平を取るのが難しい。かなり苦労して整えた束石を再度調整するのは気が遠くなる作業であるが、ここまで苦労したと思えば、最後までとことん苦労しようという心持ちになる。
前日、途方に暮れていたことも、しっかり休んだ翌日には、いとも簡単にやりのけられることがある。その点、疲れているときの自分の考えはあてにならない。よく休んで、元気な状態の自分を見積もれば、いま困難に思っていることは困難ではないかもしれぬというのに。ゆえに、即今の問題だけに集中していればよい。今日天から授かった力を出しきれていれば、あとは何も思い煩わず、ぐっすりと眠ればよい。
それにしても、霜月も後半か。穴持たずになる覚悟はできた。だがせめて、雪が積もる前には完成させられたら。
2024.11.20