運命の女神が顔を見せるとき。[320/1000]
おまえはどこからやってきて、おまえはどこに帰ってく。この世を旅する魂は現世の洗礼を受けて、肉体は老いるいっぽうだ。死んだら天に行けると思っているようだが、いったいおまえはどれほどの徳を天に積んだというのだ。堕落した生に相…
おまえはどこからやってきて、おまえはどこに帰ってく。この世を旅する魂は現世の洗礼を受けて、肉体は老いるいっぽうだ。死んだら天に行けると思っているようだが、いったいおまえはどれほどの徳を天に積んだというのだ。堕落した生に相…
森を買うための契約書が不動産会社から届いた。 恥ずかしながら、契約というものについてこれまで考えたことがない。ただ今は漠然と、契約というものに宇宙的なものだけを感じている。自分の気が変わったからといって、屁理屈をとおすこ…
まどろみの中、朝から雲一つない爽やかな青空を眺めていると、悩みとはいっさい無縁の世界が広がる。小鳥たちは人間のような休みがない代わりに、いっさいの悩みも持たず、陽ざしの祝福を受けて嬉しそうに歌っている。こうした爽やかで気…
社会はゴールデンウィークに突入した。社会から半分堕ちている私にはゴールデンウィークがなく、いつものように言葉を残し、いつものように働かねばならない。1000日投稿をはじめた時点で、向こう1000日間の労働は覚悟した。当初…
毎日の言葉は、なるべく早朝に綴りたい。神や詩の心に触れたいのなら、世界の空気が文明に染まる前でなければならないように思う。 世間が賑やかになれば、物質的となり、自堕落も起こりやすくなる。死と生が繰り返されるリズムをここに…
月曜日の倦怠が、心に重くのしかかる。たえられない肉体は、まどろみのなかへ逃げこむが、二度寝を終えたころには、透明で神聖な朝はもういない。世界の人が動きはじめれば、この空気は神秘を失い文明のものとなる。仕事に向かう父親は、…
生命の綺麗な部分は、仲良く平和に暮らしたいと願いながら、生命の堕落した部分は、あなたたちと一緒にいられないと退ける。堕落した部分が膨れ上がるほどに、両親と顔を合わすのも苦しくなる。肯定などしないでくれ。受容などしないでく…
自然が人間を癒すのではない。自然の中にある神が人間を癒すのだ。大海原に竜を見て、波打つ音に調和を聴き、木の葉が擦れて、小鳥がさえずる内に、森の精霊を感じるのだ。癒しとは、自分よりも大きな存在を感じ、肥大化した自己を鎮める…
穏やかな春の陽の祝福を受けながら、緑いっぱいの丘を歩いていれば、どんな人間だって幸せを感じるにちがいない。青年は恋の予感に燃えて、老人は野に咲く花に永遠を見つめる。幸せは気まぐれな風に乗って、予期せぬ形で訪れては、知らぬ…
薪がパチパチ燃える音と、木々が風に揺れて、木の葉が擦れる音しか聞こえない、そんな深い夜の静寂を心から待ち望んでいるのに、日が暮れようとする夕方はどうも苦手だ。いったい今日、なにができたのだろうと考えると、また一日を無駄に…