現代、虚無に苦しむ人間は少なくない。私もその一人で、20代の間は虚無を宿敵として生きてきた。生きることの虚ろに耐えきれず、情けない時間も長く過ごした。しかし、それでも虚無を突き破ろうと、見苦しくも抗いつづけるうちに、ついにその突破口を見つけた。
それが読書である。読書とは、宇宙を旅する偉人の魂と対話し、自己の内に永遠を養う鍛錬である。永遠を旅する書物だけが、現世の人間に虚無を突き破る力を授けることを、身をもって体験したのである。
虚無を宿敵としたことは、結果的に幸いであった。一見、価値のあるように思えるものも、虚無に通ずるものはどれもまやかしであり、得をしないこと、損をすることであっても、虚無を突き破りその崇高を掴むものは、真に価値あるものであると深い確信を得たからである。
2023年10月、私は人気のない森の中に小屋をつくり、俗世と距離のある生活をはじめた。その経緯や動機のすべてはここには綴らないが、齢30を前に人生のひと時を費やし、書物の海を泳いでみようと思う。
『書物の海の心得(仮)』
- 100冊読書するよりも、100回同じ本を読む
- 特に「ファウスト」「失楽園」などの叙事詩は徹底的に読み込む(★)
- 最低ノルマ/3日に1冊は新しい本を読む
- 1と抵触するが、狭い世界に留まることはもったいない
- ジャンル/歴史・哲学・文学を中心に、年代/なるべく古いものを中心に、流行りものは避ける
- 読了(周)「百」が最終目標
- 書物の海に終わりはないが、納得できる基準があるとすれば、同じ本を100回読み込んだときである
- 日々の進捗は、以下リストの更新、及び、1000日投稿に「書物の海」の振り返りの場を設ける
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