嫌なことがあった時に、嫌な気分を作り出しているのは「自動思考」と呼ばれる、無意識下に流れている思考です。
どれだけポジティブに考えても、中々嫌な気分を変えられないのは、
- 意識的な「思考」をポジティブに変えても、
- 無意識の「自動思考」はネガティブのままだから
です。
嫌なことがあったとき、気分を変えるには、大きく2つの方法しかありません。
- 「感覚」に集中して、思考の働きを弱める
- 嫌な気分を作り出している「自動思考」に気づいて、思考の歪みを修正する
感覚に集中すれば、思考は弱まるので、気分も改善されます。
嫌な気分を作り出す自動思考は、歪んでいることが大半なので、その歪みを修正すれば、長期的な変化が見込まれます。
番長
Contents
1 嫌なことがあった時に、感覚から気分を改善する
嫌な気分は、「思考」から作られる。
「感覚」に集中して、思考を弱めれば、嫌な気分は改善される。
私たちは、「思考」から嫌な気分を味わっています。
誰かに批判されたとき
- 自分はなんてダメな人間だろう
- どうして自分はできないだろう
- 自分は価値のない人間だ
- どうせ自分は嫌われてるんだ
と思考してしまうので、気分はいつまでたっても晴れないのです。
これは、「自動思考」と呼ばれるもので、私たちは無意識に無数の思考を繰り返しています。
番長
ここまでのポイントを簡単にまとめると、
- 嫌なことがあった時、ポジティブに考えようとしても、無意識ではネガティブに考えている
- だから感覚に意識を向けて思考を弱める(↓)ことで、嫌な気分も改善されていく
ということですね。
人の思考は、死なない限り止まることはありません。
しかし、感覚に意識を集中すれば、思考を弱めることはできます。
長
2 嫌なことがあった時に、感覚から気分を改善する具体例
人は日常では思考優位になっていて、感覚を自覚していない。
感覚優位になることで、心は穏やかになる。
具体例を以下の図にまとめてみました。
まずは、こちらの図をご覧ください。
【視覚】
- 深緑を見る
- 星空を見る
- 雨・雪を見る
- 世界の絶景の写真を見る
【聴覚】
- 癒し系BGMを聴く
- ジャズやクラシックを聴く
- ピアノを聴く
- サンドトラックのような壮大な音楽を聴く
【嗅覚】
- アロマをたく
- 花・葉の香りを嗅ぐ
- 土の匂いを嗅ぐ
- コーヒーの香りを思いっきり吸い込んでみる
【味覚】
- 新鮮な野菜を食べてみる
- 肉や魚をガッツリと味わう
- はちみつ、チョコなどの甘いものを食べる
- 抹茶、ゆず茶を飲む
【触覚】
- 走る
- 湯船につかる
- シャワーを浴びる
- ストレッチ、ヨガ
- 姿勢を正す
5つの感覚、どこからでもアプローチは可能です。
いつもと同じように体験するのではなく、意識を感覚に集中することがポイントです。
- チョコが口の中で溶ける感覚を舌の上で感じてみる
- 飲み物が体内に流れていく感覚を追ってみる
- 音楽を聴きながら、目立たない楽器の音も拾ってみる
- 走る時に、足の裏が地面に着地する感覚、離れていく感覚を感じてみる
- 湯船に浸かって、細胞1つ1つが温まっているのを感じてみる
私は嫌なことがあったとき、呼吸に意識を集中することが多いです。
場所や時間を問わず、いつでもどこでもできることで、勝手がいいんですよね。
瞑想のやり方については、こちらの記事で紹介しているので、興味のある方はご一読ください。
もし、何もする気分ではなかったら、そんなときは早く寝ましょう!
言うまでもなく、寝ることは、脳をリセットする最強の手段です。
朝起きたら、思考が整理されて、反芻思考からも抜け出せますよ!
<追記>
最近、私は「姿勢を正すこと」を心がけています。
嫌な気持ちになっている多くの場合、呼吸は浅くなっています。
それに付随して、背筋が曲がっていたり、丸まっていたりしていませんか?
姿勢を正せば、呼吸は深くなります。
呼吸が深くなれば、気分は自然と改善されていきますよ。
これは瞑想とは違って、知識もテクニックも必要としないので、騙されたと思ってぜひやってみてください。
3 嫌なことがあった時に思考から気分を改善する
私たちの気分を下げるのは、悲観的な「自動思考」。
自動思考の歪みを正せば、気分は改善される。
先ほども触れましたが、嫌な気分はすべて自動思考から生まれます。
そして多くの場合、この自動思考は歪んでいることが大半です。
例えば、SNSで1人の人間から「大したことないのに、自慢ばかりするな! 」「あなたが嫌いだ」と批判的な言葉を受けたとしましょう。
心は傷つき、悲しい気持ちになります。
こんなとき、こんな自動思考が流れています。
- 「私は価値のない人間なんだ」
- 「私は間違っているんだ」
- 「私は人に好かれないんだ」
確認のためにもう一度言いますと、この自動思考が「悲しい」という感情をつくっています。
しかし、事実としてあるのは”たった1人の人間”から誹謗中傷を受けたということだけです。
1人の人間の言葉を、あたかも真実のように捉えてしまうのですね。
これが思考の歪みです。
番長
思考から気分を変える方法は、とてもシンプル。
- 思考の歪みに気付いて
- 思考の歪みを修正する
だけです。
思考の歪みを正せば、再発防止の効果もあります。
同じような嫌なことがあっても、必要以上に歪めて解釈しなくなるということですね。
番長
4 嫌なことがあった時に、思考から気分を改善する具体的な方法
4.1 思考の歪みに気付く
人によって、この認知の歪みには傾向があります。
「相手に無視された」ことを、「どうせ私は一生嫌われる」と『運命の先読み』をする人もいれば、
「世のすべての女性は私のことが嫌いだ」と『過度の一般化』をする人もいます。
ここに12個の思考の歪みを、リスト化しました。
まずは、どんな思考の歪みがあるのか、把握しましょう。
そして、よく当てはまるものがあれば、それを自分の傾向として知っておきましょう。
番長
4.2 思考の歪みを修正する
では思考の歪みを修正していきましょう。
自動思考を修正するステップは3つに分けられます。
- 自動思考に気付く
- 自動思考の歪みを同定する
- 自動思考を修正する
こちらの記事に、具体例をあわせて、詳しくやり方を紹介しています。
読むだけではなく、実際に書き出してやってみることで、効果を実感できるので、実際にやってみてくださいね!
それではいってらっしゃい!
5 嫌なことがあった時、これ以上嫌な気持ちにならないためには…
嫌なことがあった時、人は快楽に走りがちになる。
その行為は本当に自分を大切にできているか、立ち止まって考えてみること。
私たちは、嫌なことがあると、手っ取り早く気分を満たそうと快楽に走りがちです。
- SNSを見る
- テレビを見る
- ゲームをする、Youtubeを見る
- お酒を飲む・性行為に走る
ただ、これらの快楽行為は、逆効果だと思ってください。
確かに快楽は、手っ取り早く快感を得ることができるので、嫌な気分からは逃れることができます。
しかし、嫌なことを忘れられるのは一時的なこと。
快楽のあとには、後味の悪い時間が待ち構えています。
結果的にまた嫌な気分へとループしてしまうのですね。
人が快楽に依存してしまうのは、こういった仕組みなのです。
不安感を抱えているときほど、依存もしやすくなるのですね。
ただ、快楽は「絶対悪」というわけではありません。
辛いときは甘いケーキでも食べて、気を紛らわしたくもなりますよね。
「衝動的に流されるように快楽と付き合うのではなく、自律的に自分の意志で快楽と付き合うこと。」
これが、快楽と付き合う時に心がけることだと思います。
快楽の性質に関しては、こちらの記事で詳しくまとめてあります。
深く理解したいという方は、ご一読ください。
6 嫌なことがあった時も大丈夫。気分は必ず良くなる
この世の万物は絶えず変化している。
嫌な気分も必ず良くなる。
だから安心して、流れに身を任せよう。
私の好きな言葉に「諸行無常」というものがあります。
- 全ての物は絶えず変化していて、
- 永遠ではない
という意味ですね。
楽しい瞬間ばかりではないように、嫌な気分も時間とともに確実に変化していきます。
私は嫌な気分になって、どうしようもないときは、流れに身を任せるようにしています。
これまでの内容に矛盾するかもしれませんが、
何もせず、ただ起こることに身を任せる
のです。
気づいたときには、元気になってます。
そんな自然の摂理の中にいると思えば、気持ちはいくらか楽になりませんか?(^^)
嫌なことがあった時、嫌な気持ちを、
- 「忌々しいもの」と捉えるのではなくて、
- 「儚き人生の味わい」と捉えてみる
それだけで、この瞬間もかけがえのないものになるかもしれません。
どんな感情も、しっかり味わってみること。
川をどんぶらこと流れるように、肩の力を抜いて生きていきましょ。
7 まとめ
どれだけポジティブに考えても、中々嫌な気分を変えられないのは、
- 意識的な「思考」をポジティブに変えても、
- 無意識の「自動思考」はネガティブのままだから
でした。
だから
- 「感覚」に集中して、思考の働きを弱める
- 嫌な気分を作り出している「自動思考」に気づいて、思考の歪みを修正する
ことで、気分を改善できるのでしたね。
感覚に集中する例には、瞑想、寝る、シャワーを浴びる、音楽を聴く…etc.
自動思考を変える方法は、こちらの記事(自動思考を変える3ステップとは?認知行動療法で自分を変える)の通りでしたね。
嫌な気持ちの時に気をつけることは、
- 快楽に依存して、気分をさらに悪化させないこと
諸行無常の世。
今は嫌な気持ちでも、自然と気分は改善されていくから、嫌な気持ちを
- 「忌々しいもの」と捉えるのではなくて、
- 「儚き人生の味わい」と捉えてみる
のも1つの考え方でしたね。
番長
8 嫌なことがあった時に書いたポエム(追記)
過去の日記を探っていたら、嫌なことがあった時に書いたポエムが見つかりました。
お恥ずかしいですが、何かの役になるかも…!と信じて紹介します。
世の中は、理不尽なことであふれている。
理不尽な上司、客、気持ちを理解してくれない親、先生、友達。
そして、悲しみ、怒り、困惑、恐れ、屈辱が入り混じったような、心苦しさに見舞われる。
時に、「どうして世の中はこんなにも理不尽なのものなのか」と嘆く。
そして、嘆いてもどうしようもない、
これが現実だと知り、世の残酷さを知る。
辛くて、胸が張り裂けそうになる。
もういっそ復讐してやろうかという考えも頭によぎる。
だけど、それをしない。
どうやら、自分の中には、まだ人を想う優しさがあるようだ。
嫌な気持ちになっている時は、嫌なことが立て続けにおきる。
怒りで気持ちが高ぶって、人や物に当たってしまう時もある。
いつも後になって「やってしまった…。」という後悔だけが残る。
嫌なことがあった時、気持ち悪くて仕方がない。
時に、パラパラと粉が舞い落ちるように、消えてしまえたらとさえ思う。
だけど、自分は今日も確かにここに存在する。
どうやら自分にはまだ生きる資格があるようだ。
世は儚い。
すべては儚く移り変わる。
時に見せる残酷な感情も、実は喜びの種なのだ。
時に残酷で、時に美しい。
これが生きることなのかもしれない。
嫌な気持ちになる時もあれば、喜びを感じる時もある。
その一瞬一瞬を噛みしめるように生きられたとき、
すべてはかけがえのない宝物のような時間になる。
どうせなら、美しさも残酷さもひっくるめて、世を生きようじゃないか。
それがこの地球に「生」を持った人間の、最高の嗜好なのかもしれない。
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