仙人の棲む高山に比べたら、町の空気はどいつも卑猥か。[807/1000]

ああ、なんともやるせない。お前も金の僕というか。およそ職業と名のつくものに、いまだ男の意気地はあるか。幸福は色づくほど、湿気を帯びてカビを生む。仙人の棲む高山に比べたら、町の空気はどいつも卑猥か。喉やられ、肺やられ、血が汚れ、血管は詰まり、吐き出す空気に、牡鹿すら逃げ出す。だから男は雨に打たれ、女は泉で身清ぎする。ああ、胡散臭い悪意を越えて、人は何に夢をみる?言葉を濫用し、誇りを卑しめて、称賛は白蟻のごとく、樹木を寄って腐らせる。それにしても悪魔の誘いに、動じるまい米と汁。塩辛いブロッコリーの汁が太陽のやさしさを奏でる。おれは今一度、この世の大地を耕しに戻ろう。

 

2024.9.4

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