地震を予兆され、市場からは米が消え、強力な台風に見舞われて、町の一部は水に沈む。中国の軍機が日本の領空を侵犯し、迫る総裁選は暗澹としている。雨のために太陽発電ができず、ついに電気が底を尽きた。激しい雨音に身を包みながら、暗い部屋にじっとしていると、生命の本能が牙を剥く気配がする。
高まる緊張の行末を案じながらも、生き抜くためにやれることはやっておこう。死んでも自己責任。被害者ぶって誰かのせいにするのは、生命的に見れば、権利の誤った使い方だ。こたびの”似非米騒動”で痛いほど分かった。金の亡者は買い占めに走る。どうしようもない人間の性だが、エゴイズムは卑小になるほど小さく囲い込む。
常に戦いの中にいる。まずは生き抜くこと。生命として戦いが、ひいては国の戦いへと繋がっていく。昔は新米は時々で、備蓄米もよく食べたという。いざという飢饉に備え、生命的本能を眠らせないでいた。平和ボケともよく言うが、今日も生きるか死ぬかの瀬戸際に立っていることを、この一連の騒動によってよくよく分かった。
<自分用覚書>
まずは、寒さをしのげる家を建てたい。これは今、取り組み中だが、マイナス10度を超える冬を凍死せず乗り越えるためには、外気を遮断し熱を逃がさない家がいる。いまは、どでかい根を抜根しているが、これをなんとか終わらせて、なるべく早く家をつくろう。
次は燃料となる薪の確保。これがなければ火を焚けない。薪として使うには、薪棚に保管し、雨風に晒されないまま1年乾燥させる必要がある。薪は自然からどれだけでも調達できるが、いかんせん乾燥させるのに時間がかかる。そのため日頃からコツコツ準備する必要がある。
次は水。飲み水は湧水を確保すればよい。徒歩1時間の道のりを水をかついで往復するのは大変なので、そのうち井戸を掘ろうかとも考える。洗い物につかう水は、近くに流れる川のものでよい。もし川が枯れれば雨水をためてつかうところだが、これは今のところ必要なさそうだ。
次は食糧。月に5キロの米を食う。そんなに食わずとも死なないだろうが、余裕をみておけばいい。1年分の米は60キロである。これが手元に置いておく量になる。米の保管方法はペットボトルでいい。2Lのペットボトルに、2キロの米を保管できるから30本で60キロだ。これを暗所に保管しておけば、虫も湧かないだろう。日ごろは、古いものから順に食べていく。
以上3つがあれば、とりあえず何とかなる。火で身体は温まる。水があれば喉は潤う。そして米も炊ける。
調味料。いちばん大事なのは塩。ちょうど塩がなくなったので、この際、日頃からよく使う”海の精”を3袋調達した。だが、これでも1キロに満たない。手ごろな海塩を大袋で買っておいてもいい。甘味は砂糖かハチミツ。これらはどれも腐らない。その他、醤油、味噌、オリーブ油、ごま油などの調味料も。重曹があれば、あく抜きにも歯磨きにも洗濯にも使える。
食材。畑は家づくりが落ち着いたらはじめる。同様に、家づくりが落ち着いたら、山に入って狩猟をする。冷蔵庫がないので、肉は燻製にして1年保存できたらいい。燻製小屋をつくり、食料小屋をつくり、乾かした肉を吊るしておく。
備品。ここまで来ると代用のきくものが多いが、大して手間ではないので、日頃から備えておけばいい。ガスコンロ缶は、1本で2週間分の米が炊ける。2本で一ヵ月、24本あれば一年分のガスとなる。3本セットが精々500円なので4000円あれば賄える。石鹸、ティッシュ、絆創膏があると衛生面で助かる。森ではよく手足を怪我して出血するが、これらがあれば応急処置はできる。
とりあえず最低限のものを書き出してみたが、死ぬときには死ぬ。森ではよく木が倒れる。今も突風のなか、いつ倒木にやられてもおかしくない。風になぎ払われたスギの枝が激しい音を立てて屋根に直撃している。命を守るために備えるが、それでも死ぬときは死んでいこう。だが、最後まで抗うこと。抗って抗うから、潔く死ねる。
2024.9.3
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