風に攫われ君に焦がれ、この身が尽きても消えぬ哀しさ[774/1000]

俺はもう何事も希うまい、

命は幸福を食い過ぎた。

 

身も魂も奪われて、

何をする根もなくなった。

 

ああ、季節よ、城よ。

 

この幸福が行く時は、

ああ、おさらばの時だろう。

 

ランボオ「地獄の季節」

 

涙ぐましい少年の 紅潮の高潔や

酸いも甘いも噛みしめて 美という美を置いてきた

ああ おまえの幸福の なんと女々しいことだろう

風に攫われ君に焦がれ この身が尽きても消えぬ哀しさ

 

2024.8.1

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