虚無のその先に眠るもの[735/1000]

ああ、純潔よ、純潔よ。

俺に純潔の夢を与えたものはこの目覚めの時だ。―精神を通して、人は『神』に至る。

ランボオ「地獄の季節」

 

文明は爛熟を装い、科学は人を虜にする。かつて困窮に咽び強いられた粗野で野蛮な生活へ、今は倦怠のため回帰する。ささやかな白い花を生活の脇に据えて。森が揺れうごめき太陽を讃美する間、俺は野性から火へ踊り廻る。時を忘れ、世を忘れ、生活は小さな点となった。夜の森に揺らめく炎と影。今さら科学の歩みに合わせる道理もない。太陽が照らした道、暴かれた虚無のその先に眠るものを、俺は駆け足で捜しに行こう。

 

2024.6.23

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です