眼は燃え、血は歌い、骨はふくれ、涙と赤い神経の網は晃めく。その嘲弄と恐怖とは、一瞬と思えば、また、幾月も幾月もうち続く。
この野性の道化の鍵は、唯、俺一人が握っている。
ランボオ「飾画」
眠りは破壊された脳髄を再生し強化する。その修復過程に生じるのが夢であり、また別のところでは、夢は神のお告げだと信じられてきた。俺にとっちゃ、どちらも同じ神秘だ。前日の罪は洗い流され、脳髄は正常な理性と敬虔を取り戻す。朝の爽やかは脳髄の敬礼だ。朝の行水は神への礼儀だ。人間に更生の余地があるとすれば、朝陽の神秘に洗われる瞬間ではなかろうか。これを「幸運な日」と言おう。眠りとは、神から人間に与えられた最上の賜物であると同時に、霊界への鍵であった。一貫性のある夢、すなわち現実にもたらされた、束の間の帰郷であった。
2024.5.6
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