正しい言葉はいつも天より降り注ぎつづけている[373/1000]

仕事をやめるまであと3日となった。運命はこのままスッと気持ちよくやめさせてくれるほど甘くはなく、最後の最後まで嫌な気持ちを味わっているのである。こういう時は歩くしかないと思い、右手は八ヶ岳、左手は入笠山の間にまっすぐ伸びる、田畑の道をひたすら歩くのである。

いつの日からか、私は嫌なことがあったときに、目先の感情にふりまわされず、自己の運命をまっとうするために、自分自身を「宇宙戦士」だと繰り返し唱えるようにしている。広く深い天を仰ぎながら、宇宙の果ての神秘的な気の源流に思いを馳せ、父母より生まれしこの人間に、ほんとうの故郷をみつけるのである。

それが強く自覚できるほど、私は私を貶めようとする言葉のすべてが、宇宙からではなく、地上から発せられていることに気づく。私が長らく、引きこもりの鬱で弱っていたときも、私を苦しめた言葉のすべては、同じ1つの出処から湧き出していると、はっきりと自覚したのである。

 

我々は宇宙戦士である。自己の運命をまっとうするために、天より言葉を授かり、地上の悪魔と戦うのである。自分を貶め、惨めにするのは、悪魔のささやきである。宇宙戦士なるものは、勇気をもって悪魔のささやきを一刀両断するのである。これは孤独を受け入れるときにしか、なせる業ではない。孤独とは天を信じることである。孤独から逃避するほど自分は弱くなり、いつも悪魔に飲み込まれる。

 

正しい言葉は今この瞬間も、天より降り注ぎつづけている。日常に染まるうちに遮断され、聞こえなくなるだけである。天より降り注ぐ言葉は、日常の外にある。早朝の爽やかな風のなかにあり、荒々しい山にあり、たそがれの海にあり、癒しの月にあるのである。いつも、孤独を受け入れるときにしか聞こえないのである。だから、自分をみじめにするような悪魔のささやきに、惑わされそうになるのなら、一人どこまでも歩いて、気をしっかりもつことである。非日常の力を借りて、日常の悪魔のささやきを両断してみせるのである。

 

繰り返し言うが、我々は宇宙戦士である。宇宙崇高な力を受け取る器がある。その崇高を頼らずして自分を惨めにしていれば、人生は怖れと悲しみばかりに覆い尽くされる。戦うことである。そのために友は戦友となり、励まし合い、労い合ってすすんでいくのだ。

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