罪深い女を赦す[326/1000]
慈悲の雨は皆に等しく降り注ぐ。一人前に傘も持てない人間はずぶ濡れになる。身体は冷えるが、両手を天に広げるとき、これが慈悲の雨だと知るのは時間の問題だろう。慈悲の雨の恩恵を多く受けられたのは、傘を持てなかったからでもある。…
慈悲の雨は皆に等しく降り注ぐ。一人前に傘も持てない人間はずぶ濡れになる。身体は冷えるが、両手を天に広げるとき、これが慈悲の雨だと知るのは時間の問題だろう。慈悲の雨の恩恵を多く受けられたのは、傘を持てなかったからでもある。…
325日目。毎日残すこの言葉を、恥のあまり燃やしてしまいたいと何度思ったことだろう。0~100日目は感情と虚無、100~200日目は武士道と死、200日目~300日目は魂と生命の救済、そして300日目からは善悪と堕落が中…
「つりはいらないよ。これで坊ちゃんに飴玉のひとつでも買ってやりな。」そう言って机の上に500円札を1枚置き、颯爽と去ろうとするも、後ろから女将に呼び止められる。これしきのこと気にすることはございませんと女将を制するも、「…
顔がよく分からない、恋人らしき女性と空を飛んでいる夢を見た。空は途中で光と闇に分断されている。女性を光に押し込むように残し、自分は闇に堕ちることを選んだ。深い闇に飲み込まれるとき、自己の魂の何かが無性に満たされる感覚を得…
休みは終わった。労働がはじまる。休み明けの労働が憂鬱だ。これ即ち、中村天風先生の言葉を借りれば、心が後ろを向いているのであり、心を粗末に扱っているのである。肩を落とし、ケツを締め、下丹田に気を集中し、肺にたまった息をすべ…
堕落自体は悪いことにきまっているが、モトデをかけずにホンモノをつかみだすことはできない。表面の綺麗ごとで真実の代償を求めることは無理であり、血を賭け、肉を賭け、真実の悲鳴を賭けねばならぬ。堕落すべき時には、まっとうに、ま…
おまえはどこからやってきて、おまえはどこに帰ってく。この世を旅する魂は現世の洗礼を受けて、肉体は老いるいっぽうだ。死んだら天に行けると思っているようだが、いったいおまえはどれほどの徳を天に積んだというのだ。堕落した生に相…
森を買うための契約書が不動産会社から届いた。 恥ずかしながら、契約というものについてこれまで考えたことがない。ただ今は漠然と、契約というものに宇宙的なものだけを感じている。自分の気が変わったからといって、屁理屈をとおすこ…
まどろみの中、朝から雲一つない爽やかな青空を眺めていると、悩みとはいっさい無縁の世界が広がる。小鳥たちは人間のような休みがない代わりに、いっさいの悩みも持たず、陽ざしの祝福を受けて嬉しそうに歌っている。こうした爽やかで気…
社会はゴールデンウィークに突入した。社会から半分堕ちている私にはゴールデンウィークがなく、いつものように言葉を残し、いつものように働かねばならない。1000日投稿をはじめた時点で、向こう1000日間の労働は覚悟した。当初…