仕事を辞めるか辞めないか[331/1000]

仕事を辞めるか辞めないかを悩み始めたら、もう結末は見えていて、あとは時間の問題なんだろうと思う。私は凡人にも満たないこの悩みを、いまだ心に住まわせており、辞めたら辞めたで、今度は金に困るし、罪の意識に孤立もするのだろうと、卑しくも損得勘定さえ働かせている。

1年半前、森を買うための資金1000万を貯めるのだと宣言して、今の仕事に乗っかった。金が溜まって森が買えるまでは、身を粉にして自己を投じようと決めたが、今やその動機は果たされた。1000万には足元にも及ばなかったが、森は思ったよりもずっと安価であった。

当時の自分との約束を考えれば、これを節目に辞めることは正当かもしれない。しかし、仕事を辞めればさらに堕落する。働くことが立派だという道徳は破られ、罪の意識に苛まれながら、スーパーで野菜を買うにも負い目を感じるだろう。

なんとケツの穴の小さきことか。堕ちるところまで堕ちろと言っていたのは虚勢だったのかとすぐ隣で悪魔が嘲笑している。善と悪の小さな小さな葛藤に、悩みは惰性を帯びて引きずられる。この小心を一刀両断できる強さがほしい。

 

理由は生きる方につく。だから、本当は最初の決めごとを貫き通さなければならない。3年はがんばると決めたら、3年の間は何とかやり切る。途中でやめたいと思っても、どれだけでも合理化できてしまうのだから、気分は相手にしない。そうして、決めた通りにズバッと決めて、ズバッと断つ。

しかし、こうして書いている今も、結局は自分の選択をなるべく合理化しようと働きかけているだけなのかもしれないと考えると、もう頭の考えることは何も信用できなくなってしまう。

悩みは小さく、つまらないものであったはずなのに、善悪をと思考を繰り返し行き来する度に、気づいたらがんじがらめになっている。本当にこれを一刀両断したい。ロジックでも、言葉でもなく、何か超常的な力でズバッとできないか。

山に登って汗流して、天の声を授かるしかないのだろうか。西郷隆盛はよく山で天の声を聴いたらしい。私は自分の頭を信用できない。頼む。神よ。真っ二つに叩き割ってくれないか。

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