机と椅子も完成。あともう少し、家づくりが終わる。[956/1000]

サワラの木を脚にして机をつくった。サワラの木は水に強いが柔らかく、構造材には向いていない。柔らかく曲げやすい特性から、主に桶に活用されてきた。構造材として使われる杉やヒノキほど有名ではないが、同じヒノキ科であり、真っすぐにそびえ立つ。

三者を外見から判別するのは難しく、現に私は杉だと思っていた。森にやってきたある者はヒノキだと言い、別の者はサワラだと言った。皮を剥くと白い木肌があらわれるところを見るとサワラが正解だった。柱や土台のような荷重がかかる部分には向かないが、机の脚につかう程度なら十分である。適当に残った皮が、サワラのやさしい雰囲気を醸し出している。

 

隣にあるのがアカマツの丸太椅子である。「水松千年」という言葉があるように、松は水の中では腐らず、千年生き永らえると言われることから、橋を支える土台や杭に使われてきた。柱や梁といった構造材としても、杉やヒノキと並んで古くからよく使われる。無論、庭木としても親しまれる。

杉花粉に苦しむ人間は増えているときくが、生命的に木が嫌いという人間はきっといないだろう。木の温かさ、優しさ、柔軟さ、強さ、猛々しさ、高潔さ、清々しさ、木から醸成させるそうした性質が、われわれの生活の細部に入り込み、自然信仰の礎に与してきたよう感じる。

 

また一つ、家が完成に近づいた。あと少し、もうすぐ、家づくりが終わる。

 

2025.2.1