情けない姿を子供に見せるな[756/1000]
今日、栄枯盛衰の甲州街道は、国道20号に取って代わられる。風情ある茶屋の町並みは次々に形を変え、人の住まない空き家も増えた。かつてお侍さんが大行列を作って賑わせたであろうこの甲州街道も、今ではこの辺りに住まう人間しか通る…
今日、栄枯盛衰の甲州街道は、国道20号に取って代わられる。風情ある茶屋の町並みは次々に形を変え、人の住まない空き家も増えた。かつてお侍さんが大行列を作って賑わせたであろうこの甲州街道も、今ではこの辺りに住まう人間しか通る…
おお、わたしの友だちよ!認識者として、わたしは言おう。羞恥、羞恥、羞恥―これが人間の歴史なのだ! だから高貴な者は、ひとに羞しい思いをさせないようにする。また、すべての苦しみ悩む者を見ると、自分自身が羞恥を感じるように努…
信仰の弱い人間は、羽を失い現世に堕ちた。非物質は物質へと堕落した。無機物は有機物へと堕落した。神は人間へと堕落し、人間は動物へと堕落した。幸福は淫蕩だ。かぎりなく純潔な幸福でも、宇宙からみれば、やはり淫蕩なのだ。淫蕩な幸…
はじめに、男尊女卑でも女尊男卑でもないことを断っておこう。男だろうと女だろうと、卑しくもなれば貴くもなるのが人間だ。そのために男は男の道を行き、女は女の道を行く。道をたがえる男女が対立することも、性差に惹かれ合うことも自…
わたしたちの心境は上方にむかって翔ける。この心境が、わたしたちの身体の比喩であり、上昇するものの比喩なのである。もろもろの徳の名称も、このような上昇するものの比喩なのだ。 こうして身体は、歴史をつらぬいてすすむ。生長する…
鞭の苦痛で身もだえするのが、徳だと思っている人々もたしかにいる。そして、あなたがたは、こうした人々の叫び声にあまりにも耳を傾けすぎた! またはほかの人たちは、自分たちの悪徳がなまけるのを、徳と称している。かれらの憎悪や嫉…
この俺、かつてはみずから全道徳を免除された道士とも天使とも思った俺が、今、務めを捜そうと、この粗々しい現実を抱きしめようと、土に還る。百姓だ。 俺は誑かされているのだろうか。俺にとって、慈愛とは死の姉妹であろうか。 ラン…
もう秋か。―それにしても、何故に、永遠の太陽を惜しむのか、俺たちはきよらかな光の発見に心ざす身ではないのか、―季節の上に死滅する人々からは遠く離れて。 ランボオ「地獄の季節」 一見明るそうに見え、内実、暗い世の中である。…
「すべての日々が、わたしにとって、聖なるものとならねばならぬ」と、かつてわたしの青春の知恵は言った。まことに、それはよろこばしい知恵の言葉であった! ニーチェ「ツァラトゥストラはこう言った」 仕事をさがしはじめた。今日、…
生は、快楽の泉である。しかし、賤民が来て、口をつければ、泉という泉は汚され、毒されてしまう。 すべての清潔なものを、わたしは愛する。不潔な者どもの口をゆがめた笑いと、その渇きを見るのは、わたしには堪えがたい。 ニーチェ,…