社会が重力を失い、個人も重力を失った[404/1000]
人間は本来、色んな愚にも付かない事をするものであるが、とり分けこん度の様に一朝にして総てを灰塵に帰すると云う様な危険性の多分にある都会の中にあって、一朝にして灰となる運命も知らぬげに、自分の住家に、大層なお金を掛けて、あ…
人間は本来、色んな愚にも付かない事をするものであるが、とり分けこん度の様に一朝にして総てを灰塵に帰すると云う様な危険性の多分にある都会の中にあって、一朝にして灰となる運命も知らぬげに、自分の住家に、大層なお金を掛けて、あ…
夢は永遠につづく憧れである。夢を地上に物質化することを”夢を叶える”、”夢を実現する”というが、人間がほんとうに月を手にすることはなく、月光を浴びつづけることしかできないの…
明け方、ひぐらしが鳴く。夕暮れにもまた、ひぐらしが鳴く。そうして1日がはじまり、1日がおわる。しばらくすると、月がのぼる。森の中からは木々に隠れてしまうので少しの間しか見ることができない。ひとり淋しさをコーヒーでごまかし…
太宰治は「男には不幸しかない」といった。悪魔に魂を売りさばき幸福に生きるか、魂とともに不幸を生きるかである。純粋な人間として生きようと思うほど、死にたくなる世の中である。ここに第三の道があるとすれば、不幸のなかに武士道を…
地上に未練をのこすほど、自分というものがおそろしく弱くなることを実感する。宇宙の流れを汲みこみ、自分もまたその流体の一部としてありつづけられたら、どれほど人生は勇ましいものになるだろうか。 世界に粒度というものを感じる。…
周囲に目を配れる余裕はあってもいい。しかし、天の厳しさから目を背けるために、水平方向に逃げているだけだとしたら、なんとも情けなくないか。 スマホに人生を吸われるのが嫌で、思い切ってスマホを手放したのが202…
西欧文明に支配された世に生きている。パンやパスタが当たり前に食べられ、日本人はほとんど米を食べなくなったと言われている。1962年の一人あたりの年間の米の消費量は118.3kgであるが、2020年には50.8 kgとなっ…
狂うほど何かに熱中することほど、生き心地をおぼえることはない。肉体から遊離するほど、我を忘れ宇宙と一体となるのである。 そんなとき、体内では宇宙エネルギーがものすごい速さで流れている。これを「高次元状態」と言おう。高次元…
憧れは流体である。淀みなく宇宙を流れるエネルギーである。それはいつも流れていなければならない。決してせきとめようとしてはならない。せきとめた途端、憧れは欲望に変わり、永遠の水は腐り、虚無に堕ちてしまうから。 …
自分の心の深くをみつめていると、その究極では死にたいと思ってるんじゃないかと、しばしば感じることがある。これは、自殺願望のような消極的なものではない。あえて積極的に言い換えるなら、魂的に生きたい、野性に生きたいという、人…