信仰とは生活の中心で燃え盛る焔をいう。[759/1000]
生活の中心には太陽がある。朝陽を浴びて目が醒める。陽が当たって野菜は育たつ。陽がなければ小屋は暗く、洗濯物も乾かなければ、薪が湿って火も焚けぬ。森の生活は不便だ。梅雨に入ってから愉しみの一つである布団干しもできない。森で…
生活の中心には太陽がある。朝陽を浴びて目が醒める。陽が当たって野菜は育たつ。陽がなければ小屋は暗く、洗濯物も乾かなければ、薪が湿って火も焚けぬ。森の生活は不便だ。梅雨に入ってから愉しみの一つである布団干しもできない。森で…
昨冬、電源が壊れ、電子機器が使えなくなった。スマホもない、パソコンもない。森で隠遁する私の連絡手段は、車のエンジンでかろうじて充電できた携帯電話だけだった。これを一週間に一度だけ確認した。その他、外界との唯一のかかわりが…
人間のすることに理屈はどうにでもつく。だがすべて嘘である。何を考えるかではなく、何をするか或いはしないかで男の評価はきまる。杢之助はそう云っているのだ。 隆慶一郎, 「死ぬことと見つけたり」 止まりさえしなければ、ゆっく…
今日、栄枯盛衰の甲州街道は、国道20号に取って代わられる。風情ある茶屋の町並みは次々に形を変え、人の住まない空き家も増えた。かつてお侍さんが大行列を作って賑わせたであろうこの甲州街道も、今ではこの辺りに住まう人間しか通る…
おお、わたしの友だちよ!認識者として、わたしは言おう。羞恥、羞恥、羞恥―これが人間の歴史なのだ! だから高貴な者は、ひとに羞しい思いをさせないようにする。また、すべての苦しみ悩む者を見ると、自分自身が羞恥を感じるように努…
信仰の弱い人間は、羽を失い現世に堕ちた。非物質は物質へと堕落した。無機物は有機物へと堕落した。神は人間へと堕落し、人間は動物へと堕落した。幸福は淫蕩だ。かぎりなく純潔な幸福でも、宇宙からみれば、やはり淫蕩なのだ。淫蕩な幸…
はじめに、男尊女卑でも女尊男卑でもないことを断っておこう。男だろうと女だろうと、卑しくもなれば貴くもなるのが人間だ。そのために男は男の道を行き、女は女の道を行く。道をたがえる男女が対立することも、性差に惹かれ合うことも自…
わたしたちの心境は上方にむかって翔ける。この心境が、わたしたちの身体の比喩であり、上昇するものの比喩なのである。もろもろの徳の名称も、このような上昇するものの比喩なのだ。 こうして身体は、歴史をつらぬいてすすむ。生長する…
鞭の苦痛で身もだえするのが、徳だと思っている人々もたしかにいる。そして、あなたがたは、こうした人々の叫び声にあまりにも耳を傾けすぎた! またはほかの人たちは、自分たちの悪徳がなまけるのを、徳と称している。かれらの憎悪や嫉…
この俺、かつてはみずから全道徳を免除された道士とも天使とも思った俺が、今、務めを捜そうと、この粗々しい現実を抱きしめようと、土に還る。百姓だ。 俺は誑かされているのだろうか。俺にとって、慈愛とは死の姉妹であろうか。 ラン…