人間と犬の美しい関係[868/1000]
東京からの客人が帰路についた。とても気持ちのいい客人だった。大都会で仕事をし、妻帯する身でありながら、老荘思想を深く読み、体験と智慧を重んずる男だった。 突拍子のない話だが、男の話を聞いて、犬を飼いたいと心…
★1000日投稿 【2022.6.20~2025.5.25 達成】
東京からの客人が帰路についた。とても気持ちのいい客人だった。大都会で仕事をし、妻帯する身でありながら、老荘思想を深く読み、体験と智慧を重んずる男だった。 突拍子のない話だが、男の話を聞いて、犬を飼いたいと心…
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70センチの穴20個に、砕石を埋め終わった。永遠かと思われた過酷な労働も、ひとまずこれで終わりだ。9月から整地をはじめ、樹木を伐り倒し、10月から基礎工事にとりかかり、穴掘りと砕石の運搬に追われた。結局、一トントラックで…
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何もすることがないのではなく、何かをする力がないのである。行動と死を選べずに、生の倦怠に耐えかねているだけである。 降りしきる雨のため、森の仕事をすすめることができない。物置小屋からじっと外の風景を眺めながら、昨冬のこと…
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私もまた堕落した現代人だと言うのは、力を信仰しながらも、いっぽうで無力に敗北することを心のどこかで認めているからである。樹を倒すにしても、全てをノコギリでこなすことはついに諦め、文明の賜物であるチェーンソーを使うようにな…
★1000日投稿 【2022.6.20~2025.5.25 達成】
人間が無力に敗北した結果、自殺に及ぶというのなら、おれたちは何としても力の道を歩まねばならぬ。だが、信仰なくしてこの世で力を得られるほど、無力も貧弱ではない。ゆえに、信仰を失った今日には、無気力が蔓延る。自分を信じる以上…
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捨て身だ。どうしようもなくなれば、この身一つを雪山に差し出せばいい。つめたい雪どけ水が、身体に染みついた塵垢を流してくれる。やがて、気まぐれな風が戯れにやってきて、朗らかな太陽が濡れた身体を温めてくれる。そうして何度も愛…
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一日一食しか食わぬ。それでいて毎日が肉体労働だ。朝から夕まで雨に打たれ、寒さに立ち向かわなければならぬというところで、身体は環境に適応するために、生命のエキスを絞り出す。細胞を若返らせるオートファジーが、空腹によって引き…
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おお 澄明な生活に 魂はまどろんで おお 人との交わりに 魂は目ざめよう 眠って踊る 生活は唄 目ざめて彷徨う 現世は砂漠 枯れ萎れる魂に 過ぎる風のつめたさと 追われる孤道の道端に 揺れる綿毛のあたたかさ …
★1000日投稿 【2022.6.20~2025.5.25 達成】
澄明な朝を包む雲海 雲海からそびえ立つ富士の山 暖気が天に昇り 冷気が地に降り立つのは 大気をかき混ぜる 壮大な神の営み 神秘をやさしく温めるように 黄金の朝陽は世界を照らす そうして去り行く神秘のあとを いつまでも追っ…
★1000日投稿 【2022.6.20~2025.5.25 達成】
何かを頂いたら何かをお返しするのが、村の人付き合いである。黒豆をもらったら、翌日には、庭先で育った柿を持っていくのである。村は情だけで成り立っていると思われるかもしれないが、実は形式を重んじているというのが、この数ヵ月、…