何の誇りもなく虚無にぶら下がるくらいなら、無様でも地を這って耐えていたほうがまだましだ。[949/1000]

優しい言葉のすべてが偽りだとは言うまい。だが、甘言が無力と敗北から発するときは、どこか自己欺瞞の香りがする。無力による敗北を屈辱とするのは、何も間違ったことではない。屈辱に虐げられる時間は苦痛に満ちるが、敗北したとて気高き戦士であることには変わりない。逃避行によって精神は堕落する。力を放棄すれば心はずっと楽になるが、何の誇りもなく虚無にぶら下がるくらいなら、無様でも地を這って耐えていたほうがまだましだ。身なりが汚かろうと、懐が寂しかろうと、大地に食い込む指先の力だけは本物である。

怒りも悲しみも、すべてを引き連れていくのである。心に残る傷痕や先々の憂いも、すべて引き連れていくのである。憂鬱な気分も怠惰な心も、強引に連れていくのである。要するに、われわれは肉体の僕ではないということである。おれたちを従えるのは、永遠の炎だけである。純粋な力だけでできている、生命を完遂へと導く、大いなる熱である。今も身体を燃やす大いなる炎を感じ、力を湧き起こすことである。

 

2025.1.25