恩を返すため、生きている。恩を返すため、生きることを選ぶ。それ以外のため、生きる意味を知らない。授かった恩を返せば、あとは何が残るだろう。そんなこと考えるまでもない。より大きな、尽きることのない源泉へ。友を助け、親を労い、祖先に報い、さらば誕生の瞬間、神の意志へ。だが自惚れるまい。落ちぶれたこの身で、どうして遠く及ぼうか。根源へとつづく孤独な光芒を追いながら、反対側に石を積み上げる。生活を礎に、すこしでもまともな人間へ。清き力を注ぐ善なる意志に、この身のすべてを捧げよう。
2024.9.8
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