ポジティブはいらんが力はいる。粥を食って力を出すことだ。[935/1000]

氷点下11度。寒さのせいか頭痛がする。血管が収縮し血流が滞ったか。そういや昨晩も、寒くてよく眠れなかった。風呂屋に行こうとしたが、道が凍っていたので諦めた。この機会だ。熱々の玄米粥をつくることにした。お粥はいい。凝縮された熱が身体をよく温めてくれる。水を加えれば嵩も増すので、貧しいときも心強い。不足しがちな水分も補ってくれる。

玄米は食事(力)の基礎という印象があるが、お粥は食文化の原点に思える。赤ちゃんはお粥から食べることを学ぶ。禅寺の朝食はお粥である。断食した者はお粥(重湯)で胃をならす。はじめて米を食べようと試みた人類も、まずお粥にたどりついたに違いない。固い米粒を水によって煮炊きして、今よりもずっと少ない米を、大勢で分かち合っていたのではなかろうか。

お粥を前に感じる優しさは、だれも見捨てないという大地の愛である。むずかしいことは何も必要ない。お金だって必要ない。茶碗一杯に満たない米をよく煮炊きして、ほんの少し塩を振るだけでいい。熱々のお粥を食べれば、誰でも元気になる。冷えた身体を温めて、心を温め、魂を温めてくれる。お粥は愛である。調子の悪いときは、お粥を食うことだ。できることなら、湯船に浸かって身体を温めることだ。それだけで小さな悪意は、簡単に吹き飛ばせてしまうものだ。ポジティブはいらんが、力はいる。粥を食って力を出すことだ。

 

2025.1.11