エネルギーを善とし無気力を悪とする[523/1000]
エネルギーを善とし、無気力を悪とするのは、誇りや精神の名の下においてであると補足する。 精神とは、熱を盛る器であって、器に盛られた熱が爛熟し、恋のエネルギーとなる。精神なきところの熱は、流れ落ちるように放縦…
エネルギーを善とし、無気力を悪とするのは、誇りや精神の名の下においてであると補足する。 精神とは、熱を盛る器であって、器に盛られた熱が爛熟し、恋のエネルギーとなる。精神なきところの熱は、流れ落ちるように放縦…
森のなかで一人隠遁生活をしていても、けっして人間関係から自由になったと言えるものではなく、毎日、これまでに出会った人間関係を想っては、今日生きるエネルギーとして生命を燃やしている。 親と恩師への恩、遠くの地で戦う戦友への…
日本の空の色は、外国の色と違う。 それを知ったのは、大学生のころにはじめて外国へ留学したときだった。アメリカの空は、日本の空よりも、淡い感じがした。日本の空の青は、もっと原色に近いような青で、田舎の田んぼとあぜ道がよく似…
エネルギーを賛美する。エネルギーは善で、無気力は悪だと信じている。なぜなら、生命とは、有機体の酸化熱であり、エネルギーの肯定は生命そのものを肯定し、無気力が熱、つまり生命そのものを否定するからである。生命燃焼とは、エネル…
まだ11月だというのに、森は吹雪で真っ白となった。 森の瞑想は深まる。俗世において瞑想を維持することができないのは、進歩と変化の生活の原理が、永遠と無為の原理と敵対するからだ。森においては生活が瞑想的となるも、俗世に戻っ…
魂に性別はない。ゆえに、私は男もであり、女でもあった。 魂に年齢はない。ゆえに私は少年であり、老人であった。 神に反逆した天使は、地獄に堕とされる。この暗澹を満たす宇宙エネルギーには、天使がおり悪魔がいる。ゆえに、私は天…
霊体はつねに肉体に縛られ、「現在」しか生きることができない。「過去」を生きていたようで、それは肉体にひもづけられた記憶の断片にすぎないのだ。記憶の断片をつなぎあわせて、自己の延長を「現在」演じている。演じている「私」とは…
私はしばしば、夢と現実との違いは、そう大きなものではないという感覚におそわれる。つまり、この現実とは「さめない夢」なのであって、魂が肉体をとおして、一つの夢を見ているにすぎないという感覚である。 昨晩の夢は…
魔の山を二週間かけて読み終えた今、ある種の燃え尽き状態にある。 あまり本を読む気にならず、かといって薪を割るくらいしか他にやることもないので、適当にからだを動かしたあとは、虚空を見つめるようにぼうっとし、火…
ついに、トーマスマン「魔の山」を読破した。分からないところは、何度も分かるまで読み返し、2週間もかかってしまった。 一冊の文学をこんなに時間をかけて読んだことは初めてで、私自身、未来、隠遁生活を反省したときに、真っ先に思…