インドからの手紙【インド紀行⑦】[622/1000]
僕は今、インドの首都、デリーという街にいます。道路は車でびっしり詰まっており、その間をたまに馬車や牛車が走ります。信じられますか?文明の行き届いていないへんぴな田舎町ならまだしも、世界1位の人口を誇るインドの首都で、その…
僕は今、インドの首都、デリーという街にいます。道路は車でびっしり詰まっており、その間をたまに馬車や牛車が走ります。信じられますか?文明の行き届いていないへんぴな田舎町ならまだしも、世界1位の人口を誇るインドの首都で、その…
旅は旅行に対して素朴なものである。しかし、旅人が必ずしも素朴かと問われれば、決してそんなことはない。しかし、旅を通して洗練されすぎた旅人が、素朴な感性に立ち返っていくことはしばしば起こりうる。 素朴なものは…
インド入国のキックオフと同時に、旅人はセンターサークルでパスまわしをされる。あっちに行けと蹴られては、こっちに行けと別の者にまた蹴られる。このパスまわしにハマってしまえば、抜け出すのに絶望的な苦労を強いられる。 &nbs…
インド1日目 デリー ボロ宿に着き、部屋に案内されると「枕カバーはまだ替えていない。クリーニングをしているので、30分後に取り換える。」と少年は説明した。その間、僕は街を散策することにしたが、念のため、既についている枕カ…
インド人は素朴な人間だと話には聞いているけれども、まさか蓋を開けてみれば、僕が一番素朴な人間だったなんてことはないだろうね?むろん、こんなのはただの戯言だ。僕がいくら森の隠者だったとしても、所詮は、素朴を重んじている&#…
2024年2月27日 インド旅立ち 前日~当日 昨晩、母が持たせてくれた最後のおにぎりを食べ終えると、急に寂しさにおそわれた。僕たちは何があっても母を労わなくちゃいけないことは、こうした感情が証明していると思わないか。ま…
2024年2月26日 インド旅立ち1日前 もし魂を定義するなら、君は何というだろう。僕は今日、久しぶりに俗世の堕落という堕落を垣間見た気がした。堕落を堕落と思わなくなること、堕落の概念が喪失し、上も下もなくなること、これ…
2024年2月25日 インド旅立ち、2日前 はじめて君に手紙を書くわけじゃないけど、こうして体裁を整えるだけでも少し気が引き締まるものだ。 僕は今日、ようやくインドへの旅支度を終えて、明日に迫った旅立ちに胸を躍らせている…
河川の多くの激流が、まさに海に向かって流れるように、これら人間界の勇士たちは、燃え盛るあなたの口の中に入る。 バガヴァット・ギーター 人間は、宇宙の大海から零れ落ちた一滴である。自分よりもずっと大きなものに向かうなら、こ…
旅立前に不安を抱える友へ 旅がはじまってしまえば、風は流れはじめます。流れた風は旅人の背中を温め、力まずとも世界が勝手にわれわれを運び、われわれを歓迎してくれるようになります。そうした異邦の風が心情の細部に…