男にとって誇りを失うことがどれほどあってはいけないことか[667/1000]
こんなところで腐る自分は本意ではない。だが、どうしたらいいかも、どこへ向かえばいいのかも分からない。腐った日々は空虚に過ぎ去り、一生取り返しのつかない泥道を歩きつづけている。このまま腐って人生を終えるのか。泥沼に沈んだま…
こんなところで腐る自分は本意ではない。だが、どうしたらいいかも、どこへ向かえばいいのかも分からない。腐った日々は空虚に過ぎ去り、一生取り返しのつかない泥道を歩きつづけている。このまま腐って人生を終えるのか。泥沼に沈んだま…
暗く沈む沼の底に、燦々ときらめく宝石がある。寒々とした夜の森に、動物を癒す炎がある。私は惹かれる。明るみに引き出されたものでなく、閉ざされ、秘められた、暗いものに。そのためなら、どこへでも行く。暗さと寒さと、不幸と孤独へ…
この世でうまくいかぬとき、そりゃ不貞腐れたくもなる。仰げ。そこらで飼いならされる犬たちを。健気に尻尾を左右に振り、愛想よく尽くしていれば、褒美の餌にもありつける。俺はゴミを漁る野良犬どもが憐れでしかたがない。運命に殴られ…
荒れ果てた人喰い沼で、己は幾度と涙した。錨を持たぬ肉体は、為すすべなく飲み込まれ、窒息寸前まで屈辱の底を這いつくばった。脳味噌抜かれた無分別を、己はどれほど恨んだだろう。絶望に看取られ沈没する様には、この世の悪魔もさぞか…
10日つづけて物を書いたこともなかった私が、663日つづけて物を書いている。しかし、読者の数は右肩上がりどころか、右肩下がりの一方である。そしてついに、地面の底を掠るようになった。このままいけば、1000日に到達する日に…
もう誰にも読まれていないかもしれない。一人でも読んでくれる人がいればこそ、書きつづける気概を見出せた。だが、ついに俺も愛想をつかされたというわけか。悪かったとは思っている。苦し紛れに紡ぎ出す言葉に悪意がなかったかと問われ…
私が心に描いている死に方は、いわゆる死とはいえないということである。それはむしろ、魂がこの地上からあの天国へと移る「道行き」というべきだろう。いずれにいても、こうしたふたつの世界にまたがる想いは、きわめて心地よく、いわゆ…
秋の樹の葉の地に落ちて朽ちたように―私のためには希望もまた枯れた。ここに来たときと殆んど同じままに―私はここから去る。―美しい夏の日々に私の魂を生気づけた高い勇気、―それも消えた。―おお、神の摂理よ、歓喜の澄んだ一日を一…
自分の絶望に関する無知の状態においては人間は自己自身を精神として意識している状態から最も遠く隔っている。ところで自己を精神として意識していないというちょうどそのことが絶望であり無精神性である、―こういう状態はときとして完…
自己は、ひとたび絶望の経験を通じて自己自身を自覚的に神のうちに基礎づける場合にのみ、まさにそのことによってのみ健康であり絶望から解放されてありうるからである。 信仰や智慧というものは歯や髪のように年とともに自ら成長してゆ…