戦い斃れるか。彷徨い斃れるか。[945/1000]
わが兄弟よ、あなたがひとつの徳を持ち、それがあなた自身の徳であるなら、それは他の何びととも共有すべき性質のものではない筈だ。 名前をつければ、それは民衆と共通のものとなり、あなたはあたなの徳を持ちながら、民衆となり畜群と…
わが兄弟よ、あなたがひとつの徳を持ち、それがあなた自身の徳であるなら、それは他の何びととも共有すべき性質のものではない筈だ。 名前をつければ、それは民衆と共通のものとなり、あなたはあたなの徳を持ちながら、民衆となり畜群と…
おれは早く魂を解放してやりたいよ。肉体の奥底に閉じこめられ、四六時中苦しむ叫びが、今もありありと聞こえてくる。臓腑を蹴り、脳髄を錯乱させ、背骨をへし折らんとする勢いで。鎖に繋がれた猛獣が死に抗うときのように、日の出から日…
一人で生き、一人で死ぬ覚悟がなければ、魂と信念を貫き通すことはできぬ。そう生きたいと願っても、願うばかりで覚悟がなければ、どこかで必ず現世に迎合する。たちまち肉体は物質観に取り込まれ、絶対的な信条は崩れ去る。保守を謳う政…
実家で捨てられるところだった窓をもらい受けた。ガラスをハンマーで叩き割り、寸法に合わせて窓をカットし、家の背面に取り付けた。割ったガラスの代わりには、アクリル板を張り付ける予定だ。 窓枠に対して窓の寸法をぴったしにすると…
おお、わたしの友だちよ!認識者として、わたしは言おう。羞恥、羞恥、羞恥―これが人間の歴史なのだ! だから高貴な者は、ひとに羞しい思いをさせないようにする。また、すべて苦しみ悩む者を見ると、自分自身が羞恥を感じるように努め…
近所のお爺さんとお婆さんが肉まんを持ってきてくだすった。ずいぶん寒くなったねと、お婆さんは昔の話をしてくれた。小学校からの帰り道、手がつめたくて、つめたくて、泣きながら帰ったのだとか。お母さんが桶にお湯を用意して待ってい…
こうして私は、私の子どもたちのほうへと行きつ戻りつしながら、自分の仕事の真っただ中にいる。自分の子どもたちのために、ツァラトゥストラは自分自身を完成させなければならない。 というのも、ひとが心底愛することができるのは、自…
やる気だとかモチベーションだとか、そんなものに頼る必要はない。やる気なんてものは、わざわざ出そうとせずとも、恩人に恥じない生き方をしようと信ずれば、自ずと正される心のありようである。天から疎遠になり、恩を感じる力が弱まっ…
私たちは、人間の手の入らない「原生自然」を一番価値のあるものだと考えている。また人為は、自然と対極にあるものだと位置づけている。しかし、これは明治時代に生まれた「誤解(新しい定義)」なのである。 宇根豊「国民のための百姓…
この冬、氷餅の仕事をしている。数日かけて凍らせた餅を、木の竿に干していく仕事である。何もむずかしいことはない。誰だってできる、替えのきく肉体労働である。肉体を働かせ、対価として賃金を得ている。冬が終われば仕事はなくなる。…