金輪際、甘いものは食わぬ。②[991/1000]
魂の修養を掲げて千日近く言葉を綴ってきたが、まさか最後の十日に及んで、願ってもなかった真理に辿り着けるとは。今日991日目をもって、最後の1%に突入することになる。きっとここまで踏ん張ってきた褒美として、神様が贈り物を下…
魂の修養を掲げて千日近く言葉を綴ってきたが、まさか最後の十日に及んで、願ってもなかった真理に辿り着けるとは。今日991日目をもって、最後の1%に突入することになる。きっとここまで踏ん張ってきた褒美として、神様が贈り物を下…
金輪際、甘いものは食わぬことにした。最後の自己欺瞞と対峙してのことである。心を煩わせるものは甘いものであると、ほんとうは分かっていたはずなのに、甘いものを食いたい一心が、核心を避け続けてきたのである。私自身、一日一食を試…
文明はまた、分業ということで、未開社会から区別されるのでもない。未開社会の生活の中にもやはり、すくなくとも分業の初歩的形態を認めることができるからである。王や魔術師や鍛冶屋や吟唱詩人は、いずれもみな、「専門家」である―も…
雪は雪でも、ここ長野には上雪(かみゆき)と下雪(しもゆき)がある。私の棲む諏訪地方に、ほとんど雪が降らないというのは、西高東低の冬型気圧配置に起こる下雪のことであり、春が近づく3月になると、上雪といって水分を含んだ重たい…
この現世における生活は、それ自身において、それ自身によって、一つの目的になりえないことを認めるとともに、この現世においてわれわれ人間は苦悩を通して学ぶものである。現世における人間の生活は、何かより大きな全体の一つの断片に…
晴耕雨読。雪が降りしきるこの機会に、一年以上積読状態になっていたトインビーの「歴史の研究」をようやく開いた。まだ冒頭の百ページにも及ばないが、相当気合を入れなければ読み進めることができず、去年の冬、二週間かけて読破したト…
友人の新聞記者が、社内のワープロでうっかり「百姓」と入力しようとしたところ、「次の言葉に言い換えなさい」と警告が出て、農家、農業者、農業経営者、農民などの言葉が例示されると言う。事態はここまで来ているのである。 宇根豊「…
物質社会を悪者にして、自分の弱さを棚にあげたくはないが、肉体を肥やすだけで何の矜持も持ち得ない仕事に、この身は死することができぬのだ。金のために魂を悶絶させることを強く拒絶するのだ。 そんなつまらぬ意地を張っているから、…
われわれは自分の体が本当に欲しているものを、的確に言い当てることができるだろうか。精神的な事柄から、物質的な事柄まで。たとえば、アイスクリームが食べたいと思うとき、体は蓄熱された熱を放出したいだけではなかろうか。もしくは…
中村天風先生の書物をひらくと「積極一貫」の筆書きに出会う。「積極一貫」は、いかなるときも積極的であれという絶対積極の精神を言う。これまた見事な四字熟語で言い表したものだと、私はとても有難い心持になる。一貫は、初めから終わ…