迷いや恐れに心を惑わされるな。運命はいつも雄々しい[359/1000]

絶対積極の精神や、絶対負のエネルギーが失われるとき、現世のすべてが悪魔に見えて気が狂いそうになる。今この瞬間も、言葉が形となるとき、悪魔の手中におちていくようだ。

深い孤独の夜の森に、静寂に身を覆われ、暗黒と一体となり、燭台にささったロウソク1本の灯りを頼りに本を読み、世俗とは完全に隔離され、精霊と対話したいという願望が疼きつづけている。ソローの「森の生活」に憧れて、通らねばならない運命がそこにあると感じる。哲学と文学を徹底的に探求し、人間の在り方と生き方について己の哲学を築き上げ、現世の悪魔に対抗する力を身につけられないものか。その願いが、森と出会わせた。憧れつづけ、願いつづけるものは、形となると確信する。

願うことを、ひたすら想いつづけよ。私は、虚無を燃やし、信仰に生き、現世を突き破り、傷だらけになりながら、誇り高く武士道を貫徹する姿を想いつづける。心が絶対積極であるとき、願いは形となっていく。

 

6月いっぱいで今の仕事をやめることにした。私は今でもこの決断が正しいものだとは思わないし、時によっては本当はとんでもない決断をしてしまったのではないかと怖れを感じるときさえある。宇宙の巡り合わせによって与えられた仕事を、小さな個人の傲慢でわがままなエゴにより、破壊してしまったのではないかと考えるのだ。森に家を建てることに運命を感じながら、やはりこの仕事にも運命があったのかもしれないと思うとき、もう何が運命なのか分からなくなる。

しかし、迷ったり、怖れをなす心が考えることは、すべて虚妄である。絶対負と絶対積極の精神であるときの言葉だけが運命を指し示す。運命は、損と不幸を含むが、いつも必ず雄々しいものであるからだ。キリストやガンジーを見よ。彼らに怖れはあっただろうか。迷いや恐れに心を惑わされるな。常に心を綺麗にしつづけよ。必ず扉は開く。雄々しくあれば、運命が祝福する。

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