最後には己の武士道を編み出さずにはいられない[706/1000]

身体の深くに、病気の根、無力の根、絶望の根を張り巡らし、無為に耐えかねよく働き、悲哀に潰され幸福に寄る。追っても追っても届かぬ永遠、楽園はここになければどこにある。困窮は欲望を生み、欲望は気分を満たした。この世で眠りつづけることは、健全な心であるための処方箋だ。

病気の根を燃やし、無力の根を燃やし、絶望の根を燃やし、賢人として生きられたらと願うが、それにはもう一度、死ななければなるまい。堕落に抗う国への愛……そんな高貴なものにまでカビが生えてしまっている。

ああなんて女々しいやつだ。分かっている。堕ちても堕ちても、最後には己の武士道を編み出さずにはいられない。一斉号令。俺たちは力の存在だ。

 

2024.5.25

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です