人を傷つけた痛みを感じて[901/1000]

ああ、己の傲慢さがつくづく鼻につく。青春の誓いは、どれほど遠くへ離れていってしまったことだろう。返し切れぬ親への恩、固い友との約束。人間にとって、もっとも大切なそれらを、常に心に留めていられたら。自分が生きすぎるほど他者を傷つける。その痛みを感じて深く後悔する。突発的な場面において、俗塵に塗れた汚い部分がまず露出する。無論、本心ではなく、感情的で些末な言い方になってしまうだけである。ゆえに、深く深くの清らかな心が、自己矛盾に遭遇し、苦しみを味わうのである。愛している存在に、愛のある言葉をかけたくとも、それをさせぬのが”日常”というものなのだ。

だから人間は哀しい。そして美しくもある。アイラブユーと真っすぐに愛情表現することは、おれたちに合っていないのだ。不器用に生きながら、些末な自分を深く恥じながら、日常でしか出会えぬ悲哀を、抱えて生きているのである。そして願わくば、偉大な力によって悪意を乗り越えられたら。そのために修身によって、力を日常に収斂させるのである。

 

2024.12.7