麻酔打たれ、機嫌に好かれ。善良な顔をして、毒散らし草枯らす、人間の王国に進歩の奴隷として仕える様は、おおなんとご立派か。ある者は金のため、ある者は無智のため、魂は草の悲鳴とともに搔き消され、無血の惨事は日曜のありきたりの光景となった。ああ、俺たちの日本。
先代の智慧をどうして蔑むか。鎌は風となり、生い茂った草を薙ぎ倒す。草は折れるところでポキリと折れ、地中に繊細な根を伸ばし、雨を吸い土壌を固めた。俺たちは自然の上に生活を築いた。聡明な先祖は、素朴な脳髄によって自然の声を聴いたに違いない。川の声も、虫の声、鳥の声、草木の声。自然は合奏し、人間は指揮者をする。俺の愛する生活は、大地のオーケストラだ。
2024.5.5
コメントを残す